安室奈美恵の引退発表に韓国も騒然=メディアは「J−POPの伝説」とたたえ、ネットは「私の思い出も散ってゆく」と惜しむ

 

2017年9月20日、歌手の安室奈美恵が引退宣言したとのニュースは韓国でも芸能専門メディアから一般紙まで多くのメディアが報じ、ネットユーザーから続々とコメントが集まっている。

安室奈美恵は自身の40歳の誕生日である20日、公式サイトでファンに対しデビュー25周年を迎えたことへの感謝を伝えるとともに、「わたくし安室奈美恵は、2018年9月16日をもって引退することを決意致しましたので、この場を借りてファンの皆様にご報告させていただきます」とのコメントを発表した。今後については、「引退までのこの1年アルバムやコンサート、最後にできる限りの事を精いっぱいし、有意義な1年にしていきたいと思ってます。そして、私らしく2018年9月16日を迎えたいと思います」とした。

韓国メディア・日刊スポーツは「安室奈美恵の突然の引退に日本列島は衝撃に包まれている」とこれを伝えたほか、他の韓国メディアも安室の名に「J―POPの女王」「日本のマドンナ」「J−POPの伝説」「日本のトップアーティスト」といった称賛の表現を付け報じた。また「波瀾(はらん)万丈の25年」として彼女のプライベートを振り返ったり、雑誌の表紙などに登場した最近の姿に「10年前と変わらぬ美貌」と伝えたりするものも。さらには、「安室が最後のアジアツアーを計画している」とした日本の報道を引用し、「韓国にも来るだろうか」と期待を寄せる記事もあった。

韓国ネットユーザーでは、特に20〜30代の男女双方から「J−POPの伝説が散ってゆく」「なんで?(泣)」「私の中の思い出も散っていくようで残念」と引退を惜しむ声が続々と寄せられ、「小さい会場でもいいから韓国でも公演してほしい」「韓国で公演があれば絶対行きたい」といった声が上がっている。

また、「高校時代に初めて安室の曲を聞いて衝撃を受けた」「韓国で日本文化が開放されて以降、安室奈美恵は最も有名な歌手だった」「日本の大衆文化がまだ入ってこなかった1990年代、韓国の地方の小さな都市に住んでいた私でも知ってる。市内の文房具店に韓国の芸能人の写真と一緒に飾られてた」「日本の芸能人は知らなくても、みんな安室奈美恵と木村拓哉の名前は知ってると思う」と紹介する声も上がり、安室奈美恵の人気の高さがうかがえる。

韓国でも影響を受けた歌手が多かったようで、「BoAは安室奈美恵の影響を受けていた」「イ・ヒョリはスタイル面でもかなり参考にしてたくらい」とのコメントも。

一方で、「幼くしてデビューして疲れることもあっただろうし、いろいろ考えた上での決断だと思う」「長い間本当にお疲れさまでした」「残り1年頑張って」とこれまでの芸能活動をねぎらうユーザーも見られた。

 
安室奈美恵引退の裏で、ライジング内で進行していた「安室追放→SPEED再始動」プランとは?
歌手の安室奈美恵が、来年9月で引退することを発表し、芸能界を震撼させている。だが、この話が動き始めた当初には、安室の引退と引き換えにSPEEDの再始動プランがあったという話が聞かれる。業界関係者によると「それは、安室が事務所から独立してトラブルとなった3年前から温められてきたもの」だという。
 

「ハッキリ言えば、安室を業界から追放し、SPEEDを再始動させて代わりに売り出すというもの。ところが、メンバーの上原多香子の夫(ラッパーのTENNさん)が自殺してしまい、それどころではなくなってしまったんです」

 

 安室は大手ライジングプロの平哲夫社長に見いだされ、大スターに育ててもらったが、3年前に事務所との契約を「奴隷契約」だとして独立。恩人を裏切った形の安室に対する風当たりは強まり、その後の活動は失速。一時は「安室奈美恵」の名前の使用を差し止められる動きもあったほどだった。そこで浮上したのが、ライジング側のSPEED再始動というプランだったという。

 

 SPEEDは同じライジング所属で売り出された、安室と同郷の4人組。1990年代に大ヒットを飛ばしたが、本格活動は4年ほどでメンバーがソロ活動へと移り、事実上の解散状態になっていた。

 

「事務所のスタンスは解散ではなく活動休止。メディアが“解散”と伝えると不快感を示していたほどで、いずれ本格的に活動再開するというスタンスを取ってきました。だから、たびたび一時的な再始動を行い、その感触を確かめてきたんです。でも、上原の夫が自殺して保留になってしまいました。今回の安室引退は、ごく一部の関係者が前から知っていたことで、それと引き換えに本来はSPEED本格復活の話が考えられていたわけです」

 

 しかし、くしくもそのプランは、またも上原が原因でストップとなったようだ。自殺した夫の遺書が公開され、俳優とのW不倫が原因であったことが発覚。上原は今後のタレント活動が絶望的になるほどのイメージダウンを被り、SPEED再始動どころではなくなってしまった。

 

「その後、国会議員となったメンバーの今井絵理子は、出馬のときに『歌手活動は継続する』と断言していて、将来のSPEED再始動の可能性は残っていたんですよ。でも、こちらも不倫騒動で見事にプランを破壊してくれましたけどね……」

 

 90年代のJ-POPを代表する女性アーティスト・安室奈美恵が引退するタイミングで、SPEEDも自然消滅となった形だ。理由はどうあれ、これもひとつの時代の節目なのかもしれない。

 

 前出の関係者は「安室は引退するけど、一定期間を置いて復帰する可能性はあると思う。SPEEDだって、5年後、10年後には何があるかわからない」と意味深に話しているが……。