狐花 葉不見冥府路行

2,310円

時は江戸。作事奉行・上月監物の屋敷の奥女中・お葉は、度々現れる男に畏れ慄き、死病に憑かれたように伏せっていた。彼岸花を深紅に染め付けた着物を纏い、身も凍るほど美しい顔のその男・萩之介は、この世に居るはずのない男だった--。この騒動を知った監物は、過去の悪事と何か関りがあるのではと警戒する。いくつもの謎をはらむ幽霊事件を解き明かすべく、憑き物落としを行う武蔵晴明神社の宮守・中禪寺洲齋が監物の屋敷に招かれる。謎に秘された哀しき真実とは? 歌舞伎の舞台化のために書き下ろされた、長編ミステリ。

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