2025年7月3日 山形新聞
山形市動物愛護センターが保護した猫の収容頭数が、施設の基準40匹を大きく超える57匹に上り、同センターは引き取って飼い主となる人を探している。「つなぎ止めた命をバトンタッチしたい」と、毎月12日に飼い主の責務や注意点などを解説する譲渡前講習会を開催。6月29日には臨時で講習会を開き、新たな「迎え主」にアピールした。
譲渡前講習会で保護猫と触れ合う参加者=山形市動物愛護センター
同センターは道路や公園などで動けなくなった猫がいるとの通報を受け、保護し治療する施設。飼い主が見つかるまで世話をしており、2019年4月の開所以来、殺処分は行わずに対応している。
ただ、基準頭数を上回る猫を世話する中で「迎え主がなかなか見つからず、苦慮している状況」(同センター)。猫を飼うためには、病気の予防方法や、猫が一生を終えるまで適切に飼育する責務などに関する正しい知識と覚悟が必要となるため、定期的に講習会を開いてきた。
6月29日の講習には、飼育を検討する9組14人が参加した。同センターの獣医師が基本的なルールや飼育に関する条例に加え、繁殖を避けるための不妊・去勢手術の必要性などを解説した。参加者は引き続き保護猫と実際に触れ合いながら、引き取った後の生活を思い描いていた。
同センターから引き取った1匹を含む2匹の猫を飼っている山形市宮町1丁目、会社員斎藤秀明さん(52)は「2匹が大きくなり、また子猫と触れ合いたいと思って参加した。(引き取られずに)このままなのは、かわいそうに思う」と話した。
譲渡前講習会は毎月12日午前10時〜正午に開いている。問い合わせは同センター023(681)1210。