お父さんが息を引き取ったとき小さくガッツポーズをした友人の話し


30年来の友人は、版画家

武蔵美出身


銀座の画廊でも働いていた


粉雪より年上


高橋惠子似のしとやかな美人

静かな人だが情熱家


帰国子女


お父さんは大企業を勤め上げたひと


ウチの父みたいに細かい性格


その版画家お姉さんは、お母さんもすでに亡くしている


粉雪の状況を心配して、ときどき手紙をくれる


そう、お姉さんとは、30年間、手紙と葉書の往復書簡


キョロキョロLINEしなくてねー


実の娘と父親の同居ってのもしんどいのよ


そこをお姉さんは、わかってくれる


お姉さんも細かい性格のお父さんとの同居に困っていたもの


「風呂場の窓を開けていたら寒いじゃないか!!」と怒鳴られたり


換気のために開けていたのにね


しんどかったと思う


繊細な感性の芸術家だけに



「お父さんが亡くなったとき、わたし、小さくガッツポーズしたの」


と手紙に書かれていたのを読んだとき、酷いとも思わなかった


お父さんはお父さんの役目を全うしたし


お姉さんもよく頑張った


当事者でなくてはわからない感情だと思う


父親と娘は、難しい


なぜなら、異性だから


考えがわからないし


男脳と女脳は、わかり合えない


だから上手くいくし


だから上手くいかない


もの静かなお姉さんの小さなガッツポーズ、とても印象に残っているお話し