「ゆめ」と「うつつ」
現実と異世界の狭間
3選
『ジュマンジ』
『マルコヴィッチの穴』
『すずめの戸締まり』
『ジュマンジ』(1995年 ジョー・ジョンストン監督)
「じゅまんじ~」という独特のメロディの呪文が耳に残るTVスポットが大当たりし、大ヒット。ダイスで出た目の数だけコマを進め、指示に従う「すごろく」ボードゲーム「ジュマンジ」。指示された状況が本当になり、巨大な蚊やら猿やらライオンやらが群れで出てきて街は大混乱に。ゴールした者が呪文を唱えない限り騒ぎは収まらないのが絶対のルール。先の見えないゲームの果てに待つものとは?
『マルコヴィッチの穴』(1999年 スパイク・ジョーンズ監督)
とあるオフィスビルの7階と8階の間の「7と1/2 階」に存在する、「立って歩けない」ある会社の奥に「穴」が開いていた。その「穴」は、15分間だけマルコヴィッチという人物の意識に侵入できるという。自由に他人の人生を生きられる「穴」。その制限時間を突破して不老不死を手にしようとする集団と、一人おいしい思いを独占したい主人公。ジャンル分け不能な独特のスタンスのアイデアが光る。
『すずめの戸締まり』(2022年 新海誠監督)
監督いわく、「かつて栄えた街の葬式」とはどういうものかという事を発想の源にしているとのことです。盛りを過ぎた街を象徴する廃墟に、大地震を鎮める要石を閉じ込める扉が存在し、うっかりその封印を解いてしまった主人公が、日本全国を巡る「戸締り」の旅に出かけるハメになります。災害の源となる「巨大なモノ」との壮絶な戦い。「怪獣」映画のモチーフをアニメ化したら「こうなる」のか?