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ジュブナイル

傑作3選

 

『魔女の宅急便』

『ハリー・ポッターと賢者の石』

『アリス・イン・ワンダーランド』

 

 

『魔女の宅急便』(1989年 スタジオジブリ)

 この映画を製作するにあたって宮崎駿監督は「宅急便の業者の研修ビデオになるような作品にはしない」と宣言していました。つまり、「全ての努力がことごとく報われるわけがない」という主張です。終盤において主人公=キキはスランプに陥り、空を飛べなくなり、その最悪の状況からの再起をクライマックスにかけて丁寧に描きました。「青少年の成長物語」それを「ジュブナイル」と言います。

 

『ハリー・ポッターと賢者の石』(2001年 ワーナーブラザーズ)

 もはや何の説明も必要としない超メジャーかつ超人気の小説の映画版です。あくまで私の個人的な印象に強く残った一連のシーケンスは、ホグワーツ特急の始発駅の描写。「実在する駅の中に、実在しない番号のホームが現れ、魔法学校への列車が出ている」というもの。それはファンタジーというより、むしろ星新一先生の書くショートショートのようなセンス・オブ・ワンダー。私にとってはSFです。

 

『アリス・イン・ワンダーランド』(2010年 ディズニー)

 アリスは19歳になり、不思議の国の記憶を単なる夢だと思っていました。そして再び不思議の国を訪れたアリスは、全てが初めての事のように感じられ、一種のパニック状態になります。ある意味、状況に流されて生きてきたアリスは、今回の冒険を通じて「自主性」「積極性」「個性」といったものを手にします。そして現実に戻ったアリスの人生は、それらを活かした「豊かなもの」になりましたとさ。