パクリとオマージュは紙一重という作品群をご紹介。
『用心棒』
『荒野の用心棒』
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』
『ボディガード』
『用心棒』(1961年 東宝(日本))
黒澤明監督作品を代表する時代劇。ならず者の二大勢力の抗争に巻き込まれて機能を停止した宿場町で、主人公=一匹オオカミの桑畑三十郎は、両方の勢力に剣の腕前を売り込むのです。その真意は、ならず者たちを挑発し、対抗心を極限まであおって正面衝突させ、たちまち壊滅させることだったのですが、事態は二転三転!
『荒野の用心棒』(1964年 アリゴ・コロンボ ジョルジオ・パピ
イタリア、西ドイツ、スペイン合作)
東宝の許可をもらわずに勝手に作ったパクリ映画。裁判ざたになり、東宝が勝訴しています。もともと面白い作品がベースになっているので、結果として面白い映画に仕上がっており、世界中で大ヒットしました。そしてクライマックスにおける「敵からの銃弾の防ぎ方」に『用心棒』と異なる「ひとくふう」がしてあります。許そう。
『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3』(1990年 ユニバーサル(アメリカ))
伏線として、『PART2』の段階で悪役が『荒野の用心棒』をテレビで観ている描写があります。この『PART3』においては、1885年(明治18年)という大昔に飛んだ主人公=マーティ・マクフライが、クライマックスで敵に銃弾を見舞われますが、『荒野の用心棒』と全く同じ手を使ってピンチを脱するオマージュが存在します。
『ボディガード』(1992年 ワーナー・ブラザース(アメリカ))
劇中で、ケビン・コスナーとホイットニー・ヒューストンの演じる主人公コンビが映画を観に行きます。そのとき、ふたりが訪れた映画館「アタシ」での上映作品として、『用心棒』のワンシーンが「まるまま」挿入されていました。観終わった後の、ケビン・コスナーのセリフによると、「62回も観た」そうです。本当ならスゴイ。