上岡俊之、ムラヴィンスキー、ロジェストヴェンスキー、ジョルダン、コージアン
上岡俊之×新日フィル〇
2017年ライブ。
第1楽章非常に鮮やかである。音質も良く、鳴らせ度も上々。ティンパニ良い。生き生きとした若々しさが曲の標題に合っている。アンサンブルは低音がやや弱く高音はキツい。
第2楽章弦楽器のポルタメントがすごい。夢見るような効果を出している。全体に速め。ラストは大変なことに。
第3楽章やや早めのテンポで飽きさせない。中間部はもう少し裏メロを効かせてほしかった。後半のアンサンブルは美しい。
第4楽章これはものすごい演出。アンサンブルは陰気で重々しくパワフル。ティンパニの歩くリズムや強打。テヌートなTPの主題。片時も耳を外せない面白さ。
第5楽章おどろおどろしい地獄に魔女たちがスキップしながら登場する。力のない鐘の音にレガート気味の低音の怒りの日(笑)なんだこれは面白い。ロンド以下のパワーも特筆もの。終盤の鳴らし具合はどうだ。ひたすら煽る煽る。燃焼度は抜群に高い。あとバスドラが最高。
演出過多ともいえる仕掛けの多い楽しい演奏。これくらい面白いとまた聴きたいと思ってしまう。
アンサンブル自体は高低のバランスが良くなく、高音がキンキンしてるし、あまり裏メロを活かせない。
OVCL-00647
ムラヴィンスキー×レニングラード〇
ムラ様あった。60年ライブ。モノラルで音悪い。
第1楽章最初は普通だな、と思ったら(笑)いきなりの鬼速。さすがのインパクト&統率力。強音のパワーは破壊的だが、音が悪くてなにがなんやら笑
第2楽章割にシャレた感じの仕上がり。ところどころワルツにあるまじき大音量。ラストはお決まりの史上最速級鬼速。
第3楽章木管のソロは強め。中間部以降ははかなり激情的。全体にテンポも速めだし、これくらいだとこの楽章も退屈しない。
第4楽章圧倒的パワー。いや怖すぎるわ。絶叫しながら断頭台へ引きずられていくような(笑)TPも叫ぶし、ティンパニも炸裂しまくり。
第5楽章魔女たちは絶叫する。神経を逆なでする鐘の音。ああ、惜しい。チューバの音がやや弱い。録音のせいか低音部は弱い。中高音金管が強すぎるせいもある。終盤のパワーも桁外れ。しかし意外に熱狂はしてない。最後まできちんとコントロールされている。
演奏はものすごく楽しかった。この人って基本、爆演指揮者だと思う。これは特にひど…凄い。
しかし音の悪さと観客の咳がかなり不快で決定盤にならず。とにかくオケの鳴りが凄まじい。
(ライブの雑音を消すためか、元の音源より随分音を小さくしてリマスターしてある様子。音量上げて聴くべし)
ロジェストヴェンンスキー×レニングラード〇
71年ライブ。録音状態は可もなく不可もなく。
第1楽章夢うつつな感じの入り。高中低のバランスはよさそう。本編からは当然、強弱やキレは強め。レガート、テヌート効かせ気味。後半のパワーはさすが。突然張り切る金管にフフッとなる。
第2楽章落ち着いた感じ。後半は中音を立たせて品がありながらも安定している。
第3楽章乾いたようなEHがいい感じ。続く弦も美しい。中盤以降も高低のバランスが美しく奏される。意外にすごくいい。雷も強弱が見事。
第4楽章遠くから始まり最強に。強弱激しい。TPの主題はひたすらTPとティンパニだけが目立つ。いやまあ他も鳴ってはいるのだが(笑)ラストはめっちゃタメる。
第5楽章ゆっくりと不気味さを強調した地獄の入り。狂気を感じる魔女たち。調子はずれの鐘の音や怒りの日はなぜか表情豊か。ロンドの低音弦がいい。打楽器も目立つ。終盤の鳴りは最高。管楽器が吠えながらも弦楽器も鳴っている。ラストは落ち着きながら熱狂を煽る感じ。すごく上手い。
爆演系だが意外に名演。録音状態はイマイチにも関わらず、高低がバランスよく聴こえる。内声部や中音楽器もよく立たせている。美しい上にスケールの大きな第3楽章は特筆もの。
絵画的というか、各シーンに表情付けがされている感じ。
もちろんオケの特性上金管や打楽器のパワーも上々で豪華。
ジョルダン×ウィーン響
2018年録音
若手(?)気鋭指揮者。現ウィーン国立歌劇場音楽監督。
第1楽章ゆっくり丁寧なイントロ。主題部は叙情的。情熱や若々しさはあまり感じない。
第2楽章終盤近くまで弱音気味で奏される。全体にテヌート気味で動きは柔らかくなめらか。なんかBGMっぽい。
第3楽章弱音で実に静かな始まりである。中間部以降の音量は普通だが伴奏抑え気味で聴こえづらい部分あり。
第4楽章奇抜なところはないが強弱の幅は大きく、TP部分は柔らかめだが華やかである。ラストのファンファーレ部分に少々こだわりが。
第5楽章まあまあドラマティックな出だし。鐘の音は高く小さめの音。怒りの日は柔らかめだがチューバの音量は上々。
ロンドは華やかだがラスト前は徐々に盛り上げる。ラストは若干アッチェレランドがかかる。
うん、奇妙さは少ない模範的な演奏だったかも。
第4楽章(1部分)https://www.youtube.com/watch?v=Npnb1GrXV3Q
Vienna Symphony Orchestra| WS020
コージアン×ユタ響
知らない指揮者さんだけど、なんでもこれのLP盤は高音質で有名だそうで。
第1楽章なるほど音の分離は非常に良い。全奏の木管のそれぞれの音まで鮮明に聴こえる。
暗い雰囲気のイントロ。本編、アクセントもパワーも控えめ。バランスは高音域に偏っているが音がいいので低音も聴こえる。テンポは速めで鳴らせはまあまあ。
第2楽章コルネット入り。全体にもの憂げな雰囲気なワルツ。コルネットが入った全奏になると華やかだが。
第3楽章静かで暗めの雰囲気。終始大音量はない。
第4楽章最弱音から始まり、強弱の差は大きいが小編成のように強音もパワーがイマイチ。後半は弾むリズムでノリはいい。
第5楽章鐘の音は小さめだが音は独特。怒りの日のチューバ弱すぎ。後半のロンドからはテンポ速め。いろんな音が飛び出してちょっと面白い。終盤はさらに加速し、煽りも上々。ラストは良かったな。特にバスドラが。
全体に控えめな印象。金管も低音も打楽器もあまり鳴らさない。
しかしこのアルバム、第5楽章が2種入ってるのだが、鐘の音が違う。
正規の方でない?二つ目の方が好みなんだが。
https://www.youtube.com/watch?v=zDDveRGpH9g
上岡さんのは正直アンサンブル自体は好みではないんだが、とにかく仕掛けが面白い。全然まっとうな演奏ではないのだ。正統派や耽美派の方は眉をひそめるタイプ。だがめちゃくちゃ盛り上がる。爆演派の方には超オススメ。
ムラヴィンさんはここに上げたyoutubeではもうひとつ伝わらないかも知れないがとにかく狂気的な爆演。あんなしかつめらしい顔でなぜにこんな笑える演奏ができるのか疑問だ
ロジェヴェンさんは今回のイチオシである
爆演系なので正直、鳴りはやかましいぐらいだが、オケのバランスは良いし豪華でもある
だがなによりも驚いたのは各シーンに表情付けがされていて、場面場面が目に浮かぶようだったことである
おかげで全楽章、全てにおいてに引き込まれてしまった
やかましいのが嫌いでない方は一聴をオススメする
フィリップ・ジョルダンはアルミン・ジョルダンの息子で、なかなかの経歴の持ち主のようだが、この演奏はまあ良く言えば丁寧で柔らか目、悪く言えば普通…ってかまったく面白くない(あくまで個人的感想)
コージアン盤は非常に高音質である
演奏自体は悪くはないがすごく良いというわけでもない。が、この音の良さはテキストとして一聴に値するかも知れない


