幻想交響曲をいろいろ聴いた⑫~ガッティ、ハーディング、エッシェンバッハ、ヤノフスキ、フルシャ | aidaの世界2

aidaの世界2

音楽、ネコ、野球や好きなものの話

 

ガッティ、ハーディング、エッシェンバッハ、ヤノフスキ、フルシャ

 

 

ガッティ×コンセルトヘボウ

第1楽章甘く夢見るようなイントロ。ビブラートたっぷり。主題部も甘ったるい。鳴りはおとなしめ。間を十分取ったような独特のアーティキュレーション。終盤ティンパニ控えめ。イマイチだなー。
第2楽章柔らかく上品。高音弦とハープの競演は美しい。最後の1音が延ばした弱音?ナニあれ(笑)
第3楽章EHのソロ、超絶ゆっくりと弱音で始まる。遠くのObの音もめっちゃ遠い。楽章通じてひたすら静かで柔らかい。遠雷は本物っぽい。
第4楽章非常にゆっくり。ここも重いけど品があるなあ。強音にパワーはある。金管強めはいいけど、弦のうねり(これ大事)が聴こえない…最後のファンファーレがめっちゃ長。
第5楽章超ゆっくりな入り。鐘の音は小さく、怒りの日は可もなく不可もなく。ロンド以下テンポは遅めで力強くはある。終盤はそれなりに鳴らすが熱狂とまではいかない。
まあなんというか、上品な演奏。ビブラート多いし。アンサンブルは高音弦に比重が高くバランス的に好みでない。打楽器の鳴りもイマイチ。
好きな人は好きだろうが自分的には好きではない。しかしまあけっこう個性的で面白くないこともない。

 

第3楽章https://www.youtube.com/watch?v=PM7KwIjal6o

 

 

 


ハーディング×スウェーデン放送響

2015年録音。

第1楽章いきなり高音質の高低弦が耳に入る。好みの予感。躍動的な主題部。強めの弦、打楽器の強打も◎リズムに切れがある。実に華やか。ちょっとピリオドっぽい感じで非常にパワフルである。
第2楽章華美ではない適度に華やかなワルツ。コルネット付き。左右対称のハープはもう少し強調しても良かったんでは。
第3楽章木管のソロはゆっくりと憂いを帯びる。中間部の弦が生き生きとしっかり鳴ってよい。もちろん低弦も良く鳴る。裏メロとのバランスもバッチリ。各シーンが実に生き生きして飽きさせない。
第4楽章引きずるような低弦。陰気で仰々しく響き渡る管たち、ハッキリとしたリズムで打たれる打楽器。TPは華やかだ。
ここはこの曲のオーケストレーションの醍醐味を聴かせてくれて、大変面白い。
第5楽章魔女の饗宴の木管たちは個性的。もちろんオケのパワーも十分。鐘の音は音はきれいだが多重音をずらせていて不気味。
怒りの日と鐘の音のアンサンブルも効果的。ロンドはリズミカル、終盤は鳴らしまくるが落ち着きはある。ラストはたたみかける。
非常にすばらしい、オーケストレーションの魅力を最大に発揮した演奏。細かいところまで楽器の音を効果的に使っている。
こういう計算された演奏は好きである。(〇ふたつでも良いくらい)


https://www.youtube.com/watch?v=_OEWZwfQsfo

↑なんと!全曲盤の音源がつい最近になってUPされていた

 

 

 

 

 

 

 

エッシェンバッハ×パリ管

クリアな音。音質は上々。
第1楽章感情的なイントロ。本編はメリハリが効いていて各パートを自在に鳴らす手腕が見事。音の分離が良く、内声部がいい働きをしているのがわかる。バランスとしては高音弦がちょっと立ちすぎ。低音弱い。
第2楽章ワルツは流麗である。めったに注意をして聴かない内声部を聴くのが楽しい。
第3楽章非常にゆっくりとした木管ソロと続く弦の主題。中間部はアンサンブルが美しく豊か。
第4楽章テンポ速め。鳴らすとこは鳴らすが一歩引いた感じ。アンサンブル重視のようだ。TP主題ののところのリズムが楽しい。
第5楽章魔女たちの饗宴リズミカル。怒りの日の低音はオフィクレイド?チューバより低い、いい味してる。後半戦は熱量抑え気味だが終盤のバスドラは特筆もの。ラストは駆け込む感じ。
評判のいい演奏だが個人的には低音と打楽器群がもう少し目立った方が好きである。


https://www.youtube.com/watch?v=EhCZAAh8LRc
(SWR響)

 

 

 

ヤノフスキ×ピッツバーグ響

第1楽章耽美的なイントロ。主題部に入ると軽快。低弦や金管の伴奏が前に飛び出して妙に楽しい。Tbの後打ちとか、マーチ並に出てくるの面白すぎ。
第2楽章快速で軽いがレガートたっぷりでまろやか。この楽章も金管を始めとして伴奏群が目立つ。楽しい(笑)ホルンーー(笑)
第3楽章木管ソロは朝の笛のようにさわやか。中間部が非常に美しい。緊張感を保ち力強くもある。雷は強弱が見事。
第4楽章前半は力強くゆっくりとリズミカルに進む。後半TPを初め、ナゾのテヌート多用。脱力系で斬新(笑)面白くて好き。
第5楽章魔女の饗宴は哄笑のようにヒステリック。怒りの日はマイルド。オフィクレイドとバスドラがいい味出してる。後半は力が抜けていて、熱狂はしない。が、統率されたいいラストである。
全体にガンガン鳴らさないし決して好みの演奏とは言い難いが、すごい個性的で面白かった。こういうのもアリじゃないかと思わせる演奏である。あと伴奏好きには色々たまらんかった。

 

第5楽章(1部分)https://www.youtube.com/watch?v=tQWhP3Zzip8

 

PentaTone| PTC5186338

 

 

 

 

フルシャ×都響

若手有力注目株の2012年のライブ。
第1楽章イントロは標題通り?夢見るような印象。主題部以降、教科書のよう。高音弦は美しい。上手いけど面白くないなあ。
第2楽章非常に美しい。各パートは明瞭。コルネットあり。後半部の美しさは格別。コルネットとのアンサンブルは溶け合っている。
第3楽章木管ソロは気怠い感じ。弦のアンサンブルはきれい。高低中音のバランスはよい。全体にかなり美的。
第4楽章極遅。遅いが重くはない。金管群大爆発。TP華やか。遅いけどそこがいい。
第5楽章最初から良く鳴らしている。鐘の音は普通。怒りの日はテヌート気味で明るめ。チューバはよく音出てる。バスドラもっと鳴らしてほしい。後半テンポはぐっと遅くなるが熱量はかなり高い。

綺麗だし激しくもある、悪くはないオーソドックス系の演奏。

バランス的には少々中高音寄り。打楽器はもう少しパワーが欲しい。

まあ普通だけど、ライブで聴くと盛り上がるかも。

 

Exton| OVCL-00504

 

 

 

 

ガッティ氏はひたすら甘く上品な印象。耽美派の方は聴いてソンはないかも(個人的には色々苦手だったが)

エッシェンバッハはかなりいい演奏である。音質もいいし世間の評判も上々。自分的にはバランス的に好みではなかったが

 

けっこうな幻想の演奏を聴いたが、なぜか若い指揮者さんにはあまり面白さが足りない。このヤクブ・フルシャもそう

上手いしきれいだしまあ鳴りもいいのだが、イマイチ強烈な個性を感じないという…

対してダニエル・ハーディングはようやく若手の指揮者さんの好みの演奏に出会った。人によっては作り過ぎと思うところもあるかも知れないが、とにかく一度聴いてほしい。

ベルリオーズのオーケストレーションの魅力と革新性を最大限に発揮した、非常に意欲的な演奏なのである

今回のイチオシである

 

特筆なのはマレク・ヤノフスキの幻想だ

実はヤノフスキ氏、初聴きなのだがむしろイロモノか?と思うくらい個性的な笑える面白演奏だった

いや、見事なシーンや美しさもあるのだが、飛び出す伴奏や合いの手が非常に楽しい…いやま、これが楽しくて仕方ないのは自分くらいかも知れんが…

(そんなヤノフスキさん、実は立派な巨匠のひとりだったのですね。イロモノなどと失礼なことを…)