今回は、力を働かせ弦が不動となる離れをするための手の内・弽について述べます。

弽の中の拇指は根元の関節を小指の根元と近づけ掌にくぼみをつくるようにします。
こうすることで拇指を一見曲げずに取り懸けでき、手首から拇指付け根は脇正面に、拇指付け根から先は背面に力が働きます。

手の内に対応して、弽の控えも一工夫をします。
弽紐があたる場所(赤範囲)を目安に控えの一の腰を柔らかくし、ここから拇指を屈伸するようにします。これは弽の腰折れの予防ともなります。

また弦の太さも調整します。弦が太いほど弦が弦枕上を転がり出る時間が短く、帽子のはね戻る量(赤矢印)が少なくてすみ、弦の背面方向へのハネ戻り現象は少なくなります。
よって、弦が太いほど前矢が出にくく弦が不動となる離れがしやすいと考えられます。