市販の牛乳に鳥インフルの痕跡、「低温殺菌牛乳は安全」と強調 米FDA
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FDAは食料品店の牛乳から鳥インフルエンザのウイルス粒子が検出されたことを受け追加検査の実施を発表
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)は23日、食品店で販売された牛乳の中からH5N1型鳥インフルエンザのウイルス粒子が見つかったと発表した。そうした牛乳を飲んだとしても安全性に問題はないとの見方を示している。 FDAは畜牛の鳥インフルエンザ流行に関する更新情報の中で、高感度検査でウイルス粒子が検出されたと述べ、低温殺菌の過程で死滅したウイルスの残骸だったと思われると説明。この粒子から人が感染することはなさそうだと考えられるとしながらも、確認のための検査を行っていることを明らかにした 「これまでのところ、市販の牛乳が安全だという我々の評価に変わりはない」とFDAは強調し、検査結果は数日から数週間以内に公表するとしている。 一方、市販の牛乳からウイルス粒子が発見されたことについて専門家は、畜牛の間で想像以上に流行が広がっていることの表れだと指摘した。 米農務省は今年3月、高病原性鳥インフルエンザがテキサス州とカンザス州の乳牛から検出されたと発表。畜牛の感染が確認されたのは初めてだった。以来、米8州の30を超す農場で畜牛の感染が確認されている。 牛の感染が確認された農場では、恐らく牛乳から感染したと思われる猫が死んでいる。 FDAは23日、感染した牛から搾乳した牛乳は「転用または廃棄」していると説明し、州をまたいで販売される牛乳は低温殺菌されていると強調した。 「たとえ生乳からウイルスが検出されたとしても、低温殺菌によって消費者の健康にリスクを生じさせない程度にまで病原体が除去されると想定される」としている。
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米国で畜牛の鳥インフルエンザ感染が拡大し、人に感染した米国内2例目の症例が確認された/CDC
(CNN) 米国で畜牛の鳥インフルエンザ感染が拡大し、人に感染した米国内2例目の症例が確認された。米疾病対策センター(CDC)が明らかにした。
人から人への鳥インフルエンザ感染は米国では確認されていないものの、他国では鳥インフルエンザウイルス(H5N1)が人から人へ受け渡される散発的なケースがあるとして、CDCが状況を注視している。H5N1が変異して人にとっての危険が高まる可能性もある。
CDCの専門家は3日、「一般にとってのリスクは依然として低い」としながらも、「この状況を極めて深刻に受け止めており、積極的な取り組みで確実な公衆衛生対策を徹底させる」と強調した。
人の鳥インフルエンザ感染は一般的に、感染した動物との濃厚接触があった人に限られており、感染は通常、そこで止まる。
「つまり、鳥や鶏から人に感染し、その人が例えば配偶者に感染させることはあったとしても、その後は人から人への持続的な感染は見られない」(CDCの専門家)
新たに確認された感染者は、テキサス州で感染したと推定される乳牛と接触していて、症状は中程度だった。しかし人が鳥インフルエンザに感染すれば重症化して死に至ることもある。
CDCや地元の保健当局は、この乳牛の群れと接触していて鳥インフルエンザと思われる症状がある人を対象に検査を実施。これまでに約15人を検査した結果、1人からウイルスが検出された。
テキサス州の感染者は目が赤くなる症状しか発症しておらず、一般的なインフルエンザ治療に使われる抗ウイルス薬の治療を受けて隔離されている。
鳥インフルエンザに感染した牛は、今年3月にテキサス州の2つの酪農場で発見された。牛の鳥インフルエンザ感染が確認されたのは初めてだった。米農務省は今月1日、鳥インフルエンザがニューメキシコ州の乳牛の群れで初めて検出され、テキサス州では新たに5つの乳牛の群れで見つかったと発表した。
合計すると、テキサス州で7群、カンザス州で2群、ミシガン州で1群、ニューメキシコ州で1群の鳥インフルエンザ感染を確認。アイダホ州にも感染の疑いがある群れがあり、確認を進めている。
CDCによると、2022年1月に鳥インフルエンザの流行が始まって以来、感染した家禽(かきん)類は米48州で8200万羽を超えている。野鳥も9253羽の感染が確認されているが、実際の数ははるかに多いと思われる。
鳥類に比べると哺乳類の感染は少ないものの、数は増えており、ヤギ、シカ、キツネ、アライグマ、オポッサム、スカンク、飼い猫などに陽性反応が出ている。
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(CNN) 亜南極で感染力の強い鳥インフルエンザが前例のない勢いで蔓延(まんえん)し、哺乳類にも感染が広がっている。英当局が11日に明らかにした。専門家は生態系に重大な影響を及ぼす恐れがあるとして懸念を示した。
英南極研究所(BAS)は昨年10月、南大西洋に浮かぶ英領サウスジョージア島バードアイランドで、ミナミオオトウゾクカモメの高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)感染を南極周辺で初めて確認していた。
英動植物衛生局(APHA)の11日の発表によると、サウスジョージア島のゾウアザラシやオットセイからHPAIが検出された。亜南極の哺乳類でHPAIが確認されたのは初めてだとしている。
米疾病対策センターによると、鳥インフルエンザは野生の水鳥の間で発生し、感染した鳥の体液などを通じてほかの動物にウイルスが感染することがある。
BASによれば、ウイルスは南米からの渡り鳥を通じてサウスジョージア島に到達したと思われる。APHAとBASは昨年12月、現地で3週間かけて哺乳類や鳥類の検体を収集。検査の結果、ゾウアザラシ、オットセイ、ミナミオオトウゾクカモメ、ミナミオオセグロカモメ、ナンキョクアジサシのHPAI(H5N1)陽性が確認された。
インフルエンザ動物研究施設ネットワークのOFFLUによると、南極大陸や周辺の島では1億羽以上の鳥類が繁殖し、アシカ・アザラシ6種、クジラ・イルカ・ネズミイルカ17種が生息している。
「もし亜南極で鳥インフルエンザの感染拡大が続けば、脆弱(ぜいじゃく)な生態系が著しく脅かされ、大量の海鳥や海洋哺乳類が危険にさらされかねない」と専門家は危惧する。
APHAによると、バードアイランドのアホウドリとオオフルマカモメのコロニーから採集した検体は陰性だった。ペンギンについてもこれまでのところ平均を超す致死率は報告されていない。
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