00年代は京都アニメーションの時代だったという声は多い。


作品別のヒット作を観るならば、ジブリ作品、エヴァ、ガンダム、ギアス、化物語と、他の製作会社も大ヒットといえるものを生み出しているが、時代の気風を表したのは、京アニだったと言えるだろうね。


00年代のアニメの特徴としては、下記のようなものが挙げられる。


① 夕方アニメの激減と、深夜アニメの増大。

② 映像ソフトによる利益確保が主流となる。

③ いわゆる萌えアニメが主流となる。


①、②、③は線で繋がっており、①により、子供向けの商品よりも、オタク向けの商品が必要となり、②が必然的に主流となり、そのターゲットが好むアニメを模索した結果、③に達したのであろう。


この①→②→③の流れにもっとも上手く乗ったのが京アニだった。


90年代は、ガイナックスに代表されるように、スケジュール破綻による作画崩壊等は当たり前で、本来ならプロの仕事として許されないところ、無料で視聴できるテレビアニメということで、許容されていた節はあった。


ところが、00年代は、有料の映像ソフトで製作費を回収することが必要なため、作画崩壊は許されず、全話において安定した作画を維持することが必要になった。

京アニはまず「AIR」で、手堅く、高いレベルで安定した作画にて製作できることを知らしめ、映像ソフトを購入する層に高い信頼を得ることができた。

また、テレビアニメが1年物が激減し、2クール、さらに1クールものが主流になったのも、京アニにとっては大きかっただろう。

さしもの京アニも、1年物では、高い作画レベルを維持はできないだろうから。


また、萌えアニメが伸張し、ロボットアニメが衰退することで、90年代は無敵を誇っていたガイナックスが失速。

ゴンゾのように、他の商売にならないジャンルに手を出さない京アニは、萌えアニメのみを安定したレベルで作り続けることで、今の地位を築いたと言えるだろうね。