中学生の頃、世界は物質と精神と霊魂から成る。と授業で聞いた。この三つのバランスが大事だという話だったと記憶している。
しかし、現在は物質が全てで、精神論は流行らないし、ましてや霊魂に至っては信じる人もいないのでは無いかと言う状況である。

原始のモデル
まず物質であるが物質の研究が進み、物質は全て原子より構成されていることが分かった。その原子は陽子や中性子・電子などから成り。原子核を構成している陽子・中性子はクオークという、更に小さな粒子より成ることが分かってきた。ただし、このクオークは単独で取り出すことができないし、種類が多くなり、クオークを作っている物質?として「超ひも(スーパーストリング)」が考えられている。このひもの振動が物質になったり、重力になったりするという考えである。

このように物質についての研究はかなり進んだが、クオークは取り出して見ることができないし、超弦理論は、まだ理論の一つであり、実証はされていない。
私は戦後の生まれで、戦争は知らないが、戦時中は精神論も盛んだったのではと思う。若い頃には「根性が足りない」とか、「根性で頑張れ」とか言う言葉をよく聞いたものである。体罰などあってはならないが、小学生の時、体育の先生が軍隊の経験者だったのか、やたら厳しくて泣かされたものである。また、教師になってからも年配の先生の中には生徒に体罰を加える先生もいて、生徒も叱られても当然と思っていたのか、それ程、問題にもならなかった。
最後は精神であるが、「精神」とは思考や感情、意識、気力など人間の心的な働きや根本的なあり方を示す言葉。とネット上では説明されているが、フロイトにより研究され意識には顕在意識と潜在意識があることが分かってきた。
言い換えれば、私は私と思っているが、その私は「ワニ」と「馬」と「人」から成り、「人」は頭脳の表面にある新皮質と呼ばれる部分で、「ワニ」と「馬」は脳の中心部にある古皮質と旧皮質と呼ばれる部分である。そして、顕在意識(新皮質)で何かを決めても、潜在意識が反対すれば実行できないのである。俗に、「分かっちゃいるけど辞められない」ということである。
フロイトは後催眠という手法でそれを実証した。私たちは自分の行動を自分で決めていると思っているが、実は潜在意識が決めたことに、顕在意識が納得できるような理由付けをしていることがあるのである。
私たちが寝ている間も心臓が動き呼吸をしている。これは潜在意識の働きである。自分で意識して心臓の鼓動を速くしたり遅くしたりすることはできない。しかし、呼吸は意識して速くしたり遅くしたりすることができる。そして、呼吸をコントロールすることにより、潜在意識に働きかけることができる。これが瞑想であり、禅である。現代的に言えばマインドコントロールである。
最後は霊(魂)であるが、日本人は昔から全てのものに魂が宿ると考えていたので、私はそれ程奇異には感じないが、特に若い人は霊(魂)を信じる人は少ないように思われる。霊とは違うが聖人の後光とか、オーラといったものを考えてみたい。人には7層のオーラがあるといわれる。私はオーラを見ることができないので断定はできないが、見える人には見えるようである。次の写真はキルリアン写真と言われるもので、人の周囲の光を撮影したものである。

特殊な感覚や才能のある人が時折おり、昔インドにラマヌジャンという数学の天才がいた。彼は数に色が付いて見えたそうである。そして、ある日突然、π≒√√(2143/22) (分数の値の平方根を2回とると約円周率になる)を思いついたそうである。私たちは光以外の周波数の電磁波、紫外線や赤外線・電波を見ることができないが、それらは存在するのである。
私の好きな詩人の金子みすゞは
青いお空のそこふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめにみえめ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
と「星とたんぽぽ」で言っている。
私は長い間、高校で物理を教えたが、物理の最後は素粒子の話が出ていた。宇宙を構成している物質は最終的に素粒子と言われる微粒子になるが、実は、我々が知っている全ての物質は宇宙の約5%程でしかなく、残りの約95%は未知の何かである。

未知の何かの、約25%はダークマターと言われる物質で、これがないと銀河等が形成されず、今の宇宙にはならなかったと考えられている。残りの約70%はダークエネルギーと言われる何かである。言い換えれば、我々の周囲には約95%もの分からない何かがあり、それは測定することも感知することもできないのである。
「みえぬけれどあるんだよ」
人は、多くのことを知るようになったと思っているが、我々の知っていることは極々限られたもののようである。
霊(魂)についての探求はこれからと言うことかもしれない。