昨年の私は、

「60歳かぁ…」と少し寂しくて、

体力の衰えなんて言葉も頭をよぎって、

どこかネガティブな気分でした。


でも、あの気持ちを書き出してみて、

ようやく素直になれたように思います。


今日、私は61歳になりました。


ここからは、これまでにいただいた

たくさんのご縁や恩を、

少しずつ返していく番なんだと感じています。


これからも、どうぞよろしくお願いします🙇‍♀️





ふっと出てきた“寂しさ”と、ここからの気持ち



「60歳は人生のラストスパート」

そんな言葉を聞いたとき、

胸の奥がすこし冷たくなった。


まるで

“もうすぐ終わりだから頑張って走れ”

と背中を押されているみたいで、

ふっと寂しさがにじんだ。


不安でもない。怖いわけでもない。

ただ――

“終わりって、ほんとうにいつか来るんだな”

その感覚が急に自分の隣に座ってきて、

胸の奥がしんと締めつけられた。


20代には終わりなんて想像できなくて、

30代も40代も「次の何か」でいっぱいだった。


結果を出すこと。守ること。育てること。

新しい景色を見にいくこと。

ずっと“これから”を追いかけていた。


でも、60歳の手前でふっと立ち止まる。

そして思う。


「あれ? 終わりって、こうやって見えてくるんだ」


静かな気づきと一緒に、

もうひとつ問いが生まれる。


「ここからもう一つ、なにかできるのかな?」

「なにかしたいのかな?」

「それとも、そうじゃないのかな?」


20代や30代とは違う、

深くて、やわらかい問い。


“もっとやらなきゃ”じゃなくて、

“これから何を選びたい?”

という方向に、すこしずつ気持ちが向いていく。


これって、歳を重ねた人にだけ訪れる

とても静かで豊かな感情なんだと思う。


そして気づく。


60歳はラストスパートではなく、

“ここからの選択がいちばん自分らしくなる”年代なのかもしれない。


もう背伸びしなくていい。

無理に追いかけなくていい。

誰かに合わせなくていい。


終わりが少し見えたからこそ、

今がいっそう、やさしくて、大事になる。


60歳からの人生は“走る”んじゃなくて、

ゆっくり“選び直す”時間。


その寂しさも、問いも、

これからを決めていくための

静かであたたかいヒント。