**********************
今日ひらくのは、あなたのキャリアの “かくし棚” のひとつ。ここには、働き方を整えるための小さなヒントをしまっておこう。
**********************
「もう50代だし、今さら転職なんて無理かな…」
由美がぽつりとつぶやく。
「どうして急にそんなこと考えたの?」
奈緒が机越しに聞く。
由美はため息をついた後、ノートを取り出す。
まだ元気なうちに、
① 自分の経験を活かせる環境で働きたい。
② 体や心の負担が少なく、家庭とのバランスも取りたい。
③ 新しい挑戦で、もう一度自分の力を試したい
「希望を書いてみたの」
由美は小さく息をつき、ページをめくると、これまでの仕事の記憶や思い出が次々と浮かぶ。
「今までの職務の整理してみようかな」
そうつぶやくと、胸の中のもやもやが少しずつ整理されていく気がした。
奈緒が微笑む。
「50代だからこそ経験やスキルはある。でも、自分に合った働き方を見つけるには、まずこれまでのキャリアを整理することが大事だよ。書き出すことで、次に何をしたいかが自然と見えてくるから」
二人で微笑んだ。
⸻
た…立ち止まって整理する
これまでのキャリアを振り返ることから始める。
どんな仕事で、どんな瞬間に「やりがい」を感じたのか。どんな環境で自分は力を発揮できたのか。
50代の由美には、豊富な知識と経験がある。そのすべてが、これからの転職でも大きな財産になる。
思い出しながら書き出してみると、自分にとって本当に大切なことが見えてくる。
📍 実践ポイント
•今までの仕事で「これは続けたい」「これは手放してもいい」と思えることを3つずつ書き出す
•小さな成功体験や、心が温かくなった出来事も書き出す
•書き出すことで、自分の価値観や大切にしたい働き方が整理される
⸻
ち…力を見える形にする
50代の由美には、積み重ねた経験とスキルがある。
でも、その力をそのまま頭の中に置いているだけでは、相手には伝わらない。
「人を育てた」「プロジェクトを任された」「現場を支えた」――どんな小さなことでも、具体的なストーリーや数字を“実績”として職務経歴書に落とし込む。
📍 実践ポイント
•過去に任された仕事や感謝された経験を3つ思い出して書き出す
•数字や期間、チーム人数など具体的な情報を加える。
⸻
つ…つながりを大切にする
50代の転職で忘れがちなのが、人とのつながり。
求人サイトだけでなく、これまで関わってきた人脈に頼ることも一つ。
昔の同僚や上司、業界の知人――
ちょっとした連絡や近況報告から、新しい仕事のチャンスや意外な情報が舞い込むこともある。
📍 実践ポイント
•昔の同僚やお世話になった人に、SNSやメールでもOK、メッセージを送ってみる。
・その時、新しいことに挑戦していることも書いておく。
⸻
て…手放す勇気を持つ
これまでの役職や肩書き、キャリアで培ったプライドは大切なもの。
でも、新しい環境に挑戦するときは、一度それらを手放す勇気も必要。新しい職場では、“学ぶ側”に戻ることもあるかもしれない。
それを「後退」と考えるのではなく、経験と新しい学びが掛け算されるチャンスと捉える。
📍 実践ポイント
•今の自分が一から学びたいことを1つ挙げてみる
•「できないこと」や「わからないこと」も
学ぶチャンスと捉える
•肩書きに縛られず、自分の経験を活かして
新しい役割に挑戦してみる
⸻
と…トータルで考える(働き方×暮らし×お金)
転職は「仕事だけ」の問題ではない。
働き方、家計、健康、老後――すべてを含めて考えることが、50代の転職を成功させる鍵だ。
「残業は少なめ」「通勤時間は短くしたい」「趣味の時間も大切にしたい」――
こうした希望を現実の生活や収支と照らし合わせることで、自分に合った働き方が見えてくる。
📍 実践ポイント
•現在の生活費と理想の働き方を表にして書き出してみる
•何を優先したいか、何を譲れるかを整理する
•生活全体を見直すことで、無理のない働き方や転職先が見えてくる
・会社に勤めることだけが、選択肢なのか考えてみる。
⸻
🌿 まとめ
• た:立ち止まって整理する
• ち:力を見える形にする
• つ:つながりを大切にする
• て:手放す勇気を持つ
• と:トータルで考える(働き方×暮らし×お金)
50代の転職は、経験と人脈を最大限に生かすチャンス。
焦らず、自分に合った道を一歩ずつ探してみよう。