2003年7月9日茨城県猿島郡五霞町にある用水路で、

東京都足立区西竹の塚に住む都立高校通信制1年、

佐藤麻衣さん(当時15歳)が遺体で発見されました。

麻衣さんは夏祭りの露店を手伝ったあと姿を消し、

携帯電話がつながらなくなっていたのです。

 

【事件経過】

7月6日正午

「午後8時には帰る」と父親へ告げて外出

 

→埼玉県草加市のファストフード店で

アルバイト先の同僚と昼食

 

→東武伊勢崎線で新越谷へ移動して買い物

午後6時

同僚と電車へ乗車

「このあと友人と瀬崎淺間神社の祭りに行く」と発言する

(同僚は新田駅で下車、彼女は谷塚駅まで乗車)

午後7時

1人で神社の祭りを楽しむ

午後8時

かき氷屋台でアルバイトをしていた女性(17歳)と仲良くなり、客の呼び込みを手伝う

午後9時

麻衣さんの携帯電話に連絡が入る→神社から離れる

午後10時

携帯電話がつながらなくる→足取りは不明

3日後の

7月9日

午前9時40分

 

散歩中の近隣住民によって、遺体で発見される

瀬崎淺間神社:埼玉県草加市瀬崎3丁目

 

翌7月10日、報道で知った母親から

「うちの娘ではないか」と連絡があり、身元が判明しました。

 

【発見現場】

茨城県猿島郡五霞町川妻にある用水路と

埼玉県草加市は約40km

利根川沿いに築かれた堤防から

内側に幅2m・深さ1mの用水路に

うつ伏せに腰を上げて「く」の字になった状態。

 

【遺体の状況】

死因は、紐状のもので首を絞められたことによる窒息死。

喉元に強い打撃か圧迫を受け、胸を素手で殴られた痕も確認されました。

白い靴下が汚れていないことから、

室内もしくは車の中で手にかけられ、運ばれたと判断されています。

 

【事件背景】

麻衣さんは、母親と兄の3人暮らし。

ヨルダン国籍の父親は、大阪に別居。

ときどき東京へ会いに来ていました。

当日は、母親と兄は実家の宮崎へ帰省。

彼女はアルバイトの都合によりあとから合流する予定で、

父親が訪れていたのです。

 

瀬崎淺間神社

 

【報道の相違点】

当初、「午後8時には帰る」と伝えていた帰宅時間が、

もしかしたら午後10時だった可能性があります。

そのためこれが事実だとすれば、約束を破ったわけではありません

 

被害者の服装などは、こちらをご覧ください。

 

 

【考察】

麻衣さんの携帯電話に連絡してきた相手は、特定されておらず身元不明。

「警察なら通話記録からわかるのでは?」と考えられますが、

そのあたりの情報は発表されていないので、詳しいことはわかりません。

 

麻衣さんは一緒に遊べる友人を探していましたが、

おそらく予定した相手の都合でキャンセルされた。

電話相手と話したあとの帰宅途中で、

ナンパ目的の男に「送っていくよ」声をかけられた。

「遅くなるから申し出に甘えよう」と車へ乗り、

そのまま連れ去られたと推測されるかもしれません。

 

そしてわいせつ目的だった男は行為に及ぼうとして抵抗され、

頭に血がのぼって殺害したと思われます。

 

【犯人の居住地】

遺体発見現場は利根川の西側だったことを踏まえると、

犯人の居住地は利根川の東側と推理されます。

心理学的に見れば「人は左回りに安心感を覚える」

という結果もあるので、

自分が暮らしているエリアの左、

つまり利根川より西に遺棄したのではないでしょうか。

 

だとすれば当時、

埼玉県八潮市や三郷市、

千葉県松戸市や流山市で暮らしていたかもしれません。

 

【報道】