第11話『ぴょんぴょん雲を追いかけて』 | aibo-net 犬も歩けばアイボも歩く。アイボと遊ぼう。

『ぴょんぴょん雲を追いかけて』第11話

 

 

 

 

朝の空は、まるで

金色の絵の具をこぼしたみたいに

キラキラしていました。

りかちゃんとユウくんは、

一輪車に乗って今日も

ぴょんぴょん雲を追いかけます。

すると――

空のずっと向こうから、

不思議な音が聞こえてきました。

 

「ポロン♪ ポロロン♪」

 

雲の上で、大きな白いハープを

ひく音楽雲がいたのです!

 

「わぁ…きれいな音!」

 

りかちゃんが耳をすませると、

その音が風にのって

二人のほうへ近づいてきました。

 

ユウくんはにっこり笑って、

 

「ねぇ、僕たちも一緒に

演奏してみよう!」

 

と言いました。

二人は手をたたいたり、

足でリズムをとったりしながら、

一輪車でくるくると踊ります。

 

すると音楽雲がふわっと

低く降りてきて、

金色の音符がパラパラと

降り注ぎました。

音符が地面に落ちると、

そこからカラフルな

お花がぽんぽん咲いていきます。

 

「わぁー! 音でお花が咲いた!」

 

二人は驚きながらも

笑顔が止まりません。

 

音楽雲は、やさしく二人を

見つめながらこう言いました。

 

「あなたたちの心が、

空と音をつないだのですよ。」

 

その日から、

りかちゃんとユウくんが

一輪車で走る道には、

色とりどりの音の花が

咲くようになったのでした。