第10話  「空色バルーンのひみつ」 | aibo-net 犬も歩けばアイボも歩く。アイボと遊ぼう。

『ぴょんぴょん雲を追いかけて』

第10話 

「空色バルーンのひみつ」

 

 

 

 

 

ある朝、

りかちゃんとユウくんが

一輪車で丘をのぼっていると、

空の上にふわふわと

浮かぶ大きな

水色のバルーンを見つけました。

よく見ると、

そのバルーンには

小さなドアがついていて、

窓からは

にっこり笑う白いリスが

手をふっています。

 

「こんにちは!

バルーン船の船長、

ミントです!」

 

白いリスは元気に名乗り、

ふたりをバルーンの中へ

招き入れました。

中には虹色の椅子や

星の形をしたランプが並び、

ふわっと甘い綿菓子の香りが

広がっています。

 

「今日は特別な日。空にしか咲かない“星の花”を見に行くんだ!」

 

ミント船長がそう言うと、

バルーンはするすると

雲のあいだを進み、

ふたりはまるで

空をお散歩しているような

気分になりました。

 

やがて、目の前にきらきら光る

花畑が広がります。

星の花は、風に揺れるたびに

小さな音色を奏で、

まるで夜空のオルゴールのよう。

りかちゃんとユウくんは、

一輪車を持ったまま

花畑をそっと歩き、

心いっぱい夢をつめこみました。

 

「この景色、ずっと忘れないね」

「うん、また会いに来よう!」

 

バルーンが丘に戻ると、

空には今日の冒険の

しるしのように、

星の形をした雲がひとつ

浮かんでいました。

ふたりは笑顔で手をふり、

また新しい空の旅を夢見ながら、夕焼けの道を一輪車で

帰っていきました。