『ぴょんぴょん雲を追いかけて』
第7話:ふしぎなおとのもり
ある日、
りかちゃんとユウくんが
一輪車で走っていると、
風にのって
「ピロロ~ン♪ ピロン♪」
とふしぎなおとが
聞こえてきました。
「なに? ピアノ?
それとも…かぜのうた?」
りかちゃんが耳をすますと、
おとがどんどん
大きくなっていきます。
「おとを たどって
いってみよう!」
ユウくんがうなずいて、
ふたりはおとのほうへ
一輪車をこぎはじめました。
すると見えてきたのは――
もりのなかにかがやく、
“ふしぎなおとのもり”。
木の葉がバイオリン
みたいにふるえて、
こけむした岩がポンポンと
たいこのようにひびき、
木のうろからは、
ちいさな音のせいぶつたちが
「トトン♪ トロロン♪」
とリズムをかなでています。
「わあ!もりじゅうが
コンサートだ!」
りかちゃんがくるくる回って
おどると、
ユウくんも一緒にジャンプ!
そのとき、
ふわっとあらわれたのは――
「ぴょんぴょん雲」!
今日はまるで
ホルンのかたちです[m:429][m:2]
「まって~!」
ふたりはぴょんぴょん雲を
おいかけて、
音の森をとびだしました。
でもそのあしもとには、
葉っぱのような音符たちが
くっついて、
ふたりのリズムを
「たん♪ たん♪」
とかなでてくれます。
空のむこうに、
ぴょんぴょん雲が
笑っていました。
「また おもしろいところに
つれていってあげるね!」
ふたりの冒険はまだまだ
つづく――[m:2][m:66]
