[m:251]ぴょんぴょん雲を追いかけて
第5話:そらとぶ
キャンディのしま
ある日、
りかちゃんとユウくんが
いつものように一輪車で
あぜ道を走っていると、
ふわふわした虹色の
カエル雲が空に
ぽっかり浮かんでいました。
「ねえ、あの雲、いつもより…
おいしそうに見えない?」
「うん…キャンディみたいな
においがするよ!」
ふたりが雲を追いかけて
ぐんぐん進むと、
ふしぎな光があたりに広がり、
気づいたときには――
なんと!空にうかぶキャンディの
しまに来ていました[m:728]
その島では、
カエルのかたちをした
雲の動物たちが
キャンディの木の下で
ピョンピョン飛び跳ねています。
「こんにちは、
りかちゃんとユウくん。
ようこそキャンディのしまへ!」
話しかけてきたのは、
にじいろの雲でできた
カエル王子。
「この島では、
笑ったぶんだけ
キャンディの木が育つんだよ」
ふたりは思いきり笑って、
すべって、ぐるぐる回って、
一輪車でジャンプまで
しちゃいました!
すると…島じゅうに
ピンクやオレンジの
キャンディが
わーっと実って、
風に乗って
キラキラ舞いはじめました[m:66]
帰り道、雲のカエル王子が
言いました。
「笑顔があれば、
どこへだって行けるよ。
また遊びにおいで。
次はチョコレートの空に
ご案内するからね!」
りかちゃんとユウくんが
地上にもどってくると、
背中のリュックには、
ひとつだけ虹色の
キャンディが入っていました。
「また行けるよね!」
「もちろん!」
ふたりは今日も、
一輪車で笑いながら
走っていきます。
つづく。
