m:692]つづきのお話
ぴょんぴょん雲と
ふしぎな池
つぎの日の朝、
りかちゃんとユウくんは、
また一輪車で
お出かけしました。
「きょうもカエルくも、
いるかな?」
「また追いかけっこしたいな!」
ふたりが空を見上げると……
なんと、
またもやカエルのかたちの
雲が、ぽっかり!
でも今日は、
カエルくもの
おなかに小さな雨粒の
つぶがついています。
「今日は雨がふるのかな?」
「ううん、カエルくもが
泣いてるみたい……」
ふたりはペダルをこいで、
カエルくもを追いかけました。
ぐるぐる、くるくる、
風といっしょに!
カエルくもは
しょんぼりとしたようすで、
山のうらがわへ ぴょん、
ぴょん、ととんでいきます。
りかちゃんとユウくんは、
くねくね坂道をおりて、
草むらのトンネルを
くぐりました。
すると、目の前に…
キラキラ光る
ふしぎな池が現れました。
「わぁ~!
みずうみに空がうつってる!」
池の水面には、
さかさまになった
カエルくもの姿。
でも、雲はうつむいたまま、
なにかをさがしているみたい。
ふたりが近づくと、
池のほとりに
ちいさなカエルの石像が
立っていました。
「これ、カエルくもが
大事にしてたおともだちかな?」
りかちゃんがそっと
石のカエルにタッチすると――
パッと雲のなかから、
ピンク色のハート雲がポン!
カエルくもは
にこ~っとわらい、
ぴょんぴょんと空高く
はねはじめました。
「よかった!
もう泣いてないね!」
「ハートをみつけて
うれしかったんだ!」
そのとき、
カエルくもが池のうえに
ふわりととまり、
りかちゃんとユウくんを
見つめて、
雲のしずくをひとつ、
ぽとん。
水面にひろがった
光のまるが、
虹のわっかに変わりました!
「まるで一輪車みたい!」
「今日もすごい冒険だったね!」
ふたりは一輪車で
くるんとまわって、
にっこり、
カエルくもに手をふりました。
[m:66]おしまい[m:66]
