ボタンで動く箱で上がった場所で紹介された

その後重なった時間で二人は恋を始めた

いつの間にか当たり前のコップやイスの場所が決まっていった
部屋の中に

そしたら
周りの人が
面白おかしく言ったんだ

君が描いた絵は
周りの口や耳が
色を重ねて表情を変えていった

夏の肌が消えるように
いつの間にか
表情を変えていった

君が描いた絵は
表情を変えていった

周りの口や耳が
君を変えて

恋人と呼ばれるはずの二人は

目を合わさない二人になったんだ
健康診断。

年に一回ということで。
しゃーない。
なにがイヤって前日の節制と当日のバリウム。
「前日は21:00までに飲食を済ませ、それ以降は…」とかのやつ。
21:00なんて部屋飲みしててもまだ飲んでる時間なのに。キツッ。

バリウムもげっぷすんなとか無茶いうな。げふっ。

最後の診察で。
超テンションの低いお医者さんが。
「レントゲン撮影の時に回転してもらったのは…実はバリウムを胃の全体に広げるためでして…小さなポリープや異物を見つけるためなんです…」

え?なんかあったの?(◎o◎;)

「こちらがその写真なんですが…」

マジ?なんかあった?

「特に異常ないですね…胃も肺も十二指腸も全く異常ないですね…」

おいっ。
そのテンションの低さはヤメロ。

「はい、もうこのまま帰って大丈夫です…」

なんにもないのはよかったけど。
なんかイラッとする。
まぁいいけど。年に一回だし。
しばらくここにいよう

灰色の雲が長いから

誰かのあとを追うでもなく
今が転がる波打ち際で
明日を疑いながら次の太陽を選ぶわけじゃない

すべて
わかっていても
なにも
わかっていなくても

透明な線が伸びる先で
誰かがたぐり寄せる場所がある

味のないパンを無理に口にして
元気になった気がするだけじゃ物足りない

恋を泣かせたり
恋に泣かされたり

1つと1つが重なる時に見える景色があった

それはまるで焼けた紙に微かに残った思い出の芝生のようだった

きれいとは言えないけど行かなきゃいけない
そんな気がする景色だった
隙間なく降る雨のそばで見た景色だった