砂埃と強い陽射しの匂い

走って走って

毎日見る変わらない景色の中を

走って走って

上手になりたいなぁと漠然と思っていた子供の頃と違い

やらなかったことは
できないこととして

手に残ることを知った私に

目標が求めたことは

走ることだったのです

春夏秋冬走って走って走ったら

新しい春には

マーマレードのようなオレンジの革のミットに

投げたボールは
こうなりたいと願ったものを越える速さになり

気がつけば
周りの人達よりも長く
ユニフォームを着ていた

走り続けた道を振り返ると
足音と繋がりながら舞い上がる砂埃と
真夏の強い陽射しの匂いが
一枚の絵葉書のように飾られている

高校野球の記憶でした