ストレッチャーに乗せられ、病室へ運ばれました。
病室の前で、『もう一緒に入ってもいいんですか』と看護師さんに尋ねる母の声が聴こえました。
準備ができるまで、しばらく待つように言われたそうです。
病室のベッドの横まで運ばれてきた時、看護師さんたちがジジのぬいぐるみの存在に気付きました。
みんな、口々に、『キキだっけ?ジジだっけ?』『魔女の宅急便の?』と盛り上がっていました。
恥ずかしいと思いながらも、目を閉じたままラッキーのことを思い出し、ちょっとニヤニヤしてしまいました
ちなみにこんな感じでした。
ストレッチャーからベッドに移してもらって色々セッティングしてもらったあと、ダーリンと母が病室に入ってきました。
『目が覚めてるの?』というダーリンと母の会話が聴こえてきました。
少し意識がはっきりしてきた頃に、院長先生に説明されたことを話してくれました。
・卵管を両方とも切断した
・左卵管はかなりひどかった。右卵管も腫れていた。
・子宮と卵巣はきれいだった
・麻酔は、予定していた全身麻酔とは違うものになった(うろ覚え。挿管しなかったんだと思います)
・これで、体外受精(顕微授精)以外での妊娠の可能性は無くなったが、体外受精(顕微授精)での妊娠の確率は上がった
ダーリンも母も、院長先生の説明を頼もしく感じたようで、やや興奮気味でした。
両方とも卵管を切断したと聞いて、良かったと思う反面、もう奇跡は絶対に起きない身体になったんだなぁと思いました。
あとから母に聞いた話では、先生との話が終わって部屋から出る時に、ダーリンは涙を拭いていたそうです。
ダーリンにも、両親にも心配をかけてしまって・・・。
心配してくれて嬉しい気持ちと、申し訳なくて泣きたい気持ちと半々でした。
*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
そして手術時間ですが、なんと30分ぐらいだったようです。
医療費明細書には『閉鎖循環式全身麻酔 32分』と書いてあります。
始まったかなぁぐらいに思ってたら先生から説明があると呼ばれたので、母とダーリンは何事かとビビったようです。
手術前に話していた、早く出てくるとあまり良くないという母の持論話があったので余計にビビってたよう
子宮と卵巣には問題が無く、癒着が全くなかったため、両卵管の切断だけだったこと、麻酔の挿管をしなかったこと、A先生が以前いらっしゃった病院のやり方を取り入れたことが早かった理由だと思います。
そのあと、目を開けているのが辛くて、目を閉じていましたが、1時間おきに看護師さんが検温と血圧測定、傷の確認、出血してないかの確認などに何度も来てくれました。
熱があり、けっこう汗をかいていました。
あとは、手術で身体に入れたガスが肩から抜けていく痛みも結構ありました。
(腹腔鏡手術は、腹部に5-12mm程の穴を数箇所あけて、そこから炭酸ガスでふくらませたお腹にカメラや専用の電気メス、鉗子(かんし)という組織を持ったりはがしたりする道具などを入れて、テレビモニターを見ながら行う手術です。)
●18:00 夕食
なんと、夕食が運ばれてきました。
手術の日は水分の摂取もできないと思っていたのですが
癒着が全然無かったので腸の動きが良いからなのか、麻酔の時に挿管しなかったからなのかわかりませんが。
ベッドは電動で起こせたけど、身体を起こすのが辛くてダーリンに撮ってもらった写真。
・おかゆ
・はんぺんのケチャップあえ
・豆腐ハンバーグ、キャベツ、トマト
・キャベツと人参の味噌汁
・ポーチドエッグ
・お茶
・みそ、しょうゆ
おかゆには、お味噌の入った袋が付いていました。
おなかの傷が痛くてとても食べる気になれず、はんぺんのケチャップあえを半分ぐらいと、おかゆを何口かダーリンに食べさせてもらいました。
少し冷たいはんぺんは喉越しが良くて、ケチャップの酸味も食欲が無い時には食べやすかったです。
残りはダーリンに食べてもらいました。
手術後の食事は、退院まで毎回、食べた量を看護師さんに聞かれました。
●20:00
面会時間が終了したので、ダーリンは帰ってしまいました
●21:00
規則的にブーと大きな音を立てていたフットポンプが外され、ひざを曲げても良いと看護師さんに言ってもらいました。
弾性ストッキングはそのままだったけど、ひざを曲げられるだけでかなりラクになりました。
弾性ストッキングやフットポンプを手術の直前から使用するのは、次の理由からです。
(腹腔鏡手術では、炭酸ガスを腹腔内にいれておなかを膨らますことでおなかの中に空間が生まれ、腸や血管その他の臓器の観察が容易になり、手術が可能になります。
しかし、腹腔内圧が上昇し、血液の循環が悪くなるため、静脈血栓症や肺塞栓の危険性があります。)
ダーリンが撮ってくれてた写真。
緑色のがフットポンプで、足裏と足の甲を左右交互にギューっと包み込むような感じでした。
痛み止めをもらって飲む。
熱があるため、冷やすかどうか尋ねられるが、エアコンが効いていて足が寒かったので断る。
エアコンは部屋ごとに調節できましたが、、私はベッドから動けないので同室だった方にお任せでした。
●22:00
就寝時間を過ぎても、痛くて眠れませんでした。
まず、まっすぐ寝るのは傷のあるおへそ付近が伸ばされて痛い。
前日、枕が高すぎてバスタオルを折りたたんで眠ったけど、手術後には傷跡に負担が少ないちょうどいい枕の高さに感じました。
寝返りが打てないので、そのうち元々悪い左腰に痛みが。
手術前から点滴がついたままの左腕を、自分のラクな高さに調節するために折りたたんだバスタオルに載せていました。
そのバスタオルを一生懸命たぐり寄せ左腰の下に入れてみたけど、気休め程度。
ベッドの右側に手すりがついていたので、その手すりを支えに右側への寝返りにチャレンジ。
お腹に力をいれることはできないので、お腹にぐるぐる巻いてある腹帯を頼りに少し腰に力を入れる感じ。
でも右胸のあたりに力が入って、しばらくすると筋肉痛。
なんとか右側を向けたものの、おへその傷が痛すぎるし、点滴していてまっすぐ伸ばしていないといけない左腕の置き場が微妙になってしまった。
常に左腕はまっすぐピンと伸ばしているので、だんだん力が入らなくなってきていた。(私のは刺した場所が悪く、絶対曲げてはいけないと言われていた)
次はまっすぐ、次は左向き。
時間をかけて少しずつ寝返り。
左向きの時はバスタオルと布団を抱き枕代わりにしてみたらいい感じ。
でも、すぐに左腰が痛くなる。
●4:00
携帯で時間を確認すると4時すぎ。
やっとここまできた。
あと2、3時間もすれば看護師さんが来てくれる。
ゴールが見えてきた気がしたのもつかの間。
右足の上に載っていた尿管を寝返りしながらまたいで、右足の下に通してしまった。
ベッドの右下につながる尿をためる袋の重みを、尿管が載っている右足が受け止めてくれていたのに。
尿の重みでひっぱられてる・・・
そこからは、どう頑張ってもあおむけから寝返りを打つことができなくて、完全に身動きがとれなくなりました。
おへその傷と腰の痛み、右胸の筋肉痛で泣きそう。
しかも、尿管も微妙・・・。
今思うと、逆流っぽい感じできちんと流れてなかったかも。
まぁ、尿管をまたいだ私のせいですが
電動ベッドを少し起こしてみようか、看護師さんを呼ぼうかと悩んだけど、隣のベッドの方を起こしてしまうかもと思うとトライできず。
そんなことを結局朝まで繰り返して、一睡もできませんでした
でも、コメントでいただいていた、『長い長い人生の、ほんの少しの時間』という言葉を何度も心の中で繰り返して乗り越えました。
ありがとうございます。