5月の初め頃、隣の家の敷地から子猫の鳴き声が響いていました。
気になって外を見てみると、目の前のフェンス越しの畑でお隣の方がお仕事をされていました。
広い敷地には木やお花、雑草が生い茂り、子猫がどこにいるのか見当もつかない。
お隣の方はご年配で、猫の泣き声に気づいてはいても、特に気にしていないようでした。
3日ほど昼夜を問わず鳴き声が響いていました。
鳴き声からすると、1匹か2匹に思えました。
外から人が入ってきて捨てられるような場所ではないので、親猫が近くにいるのかもしれない・・・と思いました。
6日には結構強い雨が降っていました。
外に出て見るとひんやりと冷たい空気で、この雨の中でも鳴き続ける子猫の様子をどうしても確認しなければと思いました。
雨が降っていたらお隣も畑にはいらっしゃらないはず・・・と、思わずフェンスを乗り越え、お隣の広い敷地に侵入。
しばらく声のする方を捜すと、子猫たちがいました。
全部で5匹。
うち2匹はすでに息絶えていました。
ずっと鳴き声を響かせていた白い猫ちゃん。
ぼーっとした感じのグレーの猫ちゃん。
ぐったりして一見息をしていないように見えた黒い猫ちゃん。
この3匹を連れて帰りました。
濡れた身体を拭いて、ペットボトルで湯たんぽをつくり身体を温めました。
3匹ともただひたすら湯たんぽにピタっとくっついていました。
連れて来て2時間後の写真です。

猫の鳴き声がしだしてから数日間、相当悩みました。
もし親猫が世話を放棄しているわけではなかったら・・・?
ペット禁止の部屋なのに、猫の鳴き声がするのは問題・・・。
特に隣の部屋の住人は数日前からの猫の鳴き声をうるさいと感じている様子でした。
アトピー持ちのダーリンは、以前アレルギー検査で猫の毛に強い反応がでていて、猫の毛が近くにあるとアトピーが悪化すること。
でもすでに息絶えている2匹の子猫と雨にぬれて凍える3匹を見ていたら、迷っている暇はありませんでした。
仕事から帰ってきたダーリンも、猫をさわることはできないけど受け入れてくれました。
夜にはほんの少しずつですが、ミルクを飲んでくれました。
連れて来て2日目、5月7日の昼過ぎの写真です。
白いコと黒いコがみゃぁみゃぁと激しく鳴いて、お隣にきこえていないかヒヤヒヤでしたが、元気になってくれてうれしかったです。
でもその夜、元気だと思っていた黒い猫ちゃんが少し目を離したすきに動かなくなっていました。
ショックでした。
最初に外で見た時、すでに息絶えていると勘違いしたほどぐったりしていたコです。
みゃあみゃあ鳴きながらミルクを欲しがり歩く様子を見て本当によかったと思っていた矢先でした。
私にいちばん甘えてくれたコでした。
この先ずっと飼えるかはわからないから猫たちに名前をつけてはいけないとダーリンに言われていましたが、亡くなってしまったこのコに、クロちゃんと名付けました。
翌日は土曜日でダーリンも休みだったため、一緒にクリーンセンターの動物焼却施設へ連れて行きました。
途中でかわいいお花を摘んで、両手に持たせてあげて見送りました。
もうここには来なくていいように、残された2匹を精一杯世話しようと話しました。
つづく