高くて買えない(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ
マンションがまったく売れなくなっている。
不動産経済研究所が17日発表した2016年度の首都圏の新築マンション販売戸数は3万6450戸で、バブル崩壊の1992年以来、24年ぶりの低水準となった。発売月に成約した「契約率」も68.5%と、リーマン・ショック以来、8年ぶりに70%を下回った。
つまり、マンション販売は、バブル崩壊やリーマン・ショックなど“非常事態”と同じレベルにあるのだ。要因はハッキリしている。
「販売価格が高くなり過ぎたのが売れない原因です。買いたい人が買えない状態が続いている。人件費と資材費が高騰し、建築費が10年前の2倍になっています。加えて、異次元の金融緩和という“黒田バブル”も要因です。行き場を失ったお金が向かった先は不動産だった。その結果、土地が高騰しました」(住宅ジャーナリストの榊淳司氏)
■原価高騰、販売低迷のダブルパンチ
この先、マンション価格はどうなるのか――。たとえ売れなくても、人件費と資材費の高止まりが続くと予想され、そう簡単には下がらないとみられている。大手はマンション供給を大幅に絞り、しばらく“休戦”する可能性が高い。
ただし、体力のないディベロッパーがダンピングしてくる可能性があるという。なにしろ、「不動産バブルに乗って、開発に手を出し過ぎたあるディベロッパーは、資金ショートの恐れがあり、年内の倒産もささやかれている」(不動産業界関係者)という状況だからだ。
「すでに、中小の販売会社の中には、赤字覚悟の売値を付けて、とにかく売り上げを確保しようという動きがあります。マンション全体の価格は下がらないでしょうが、これから、あっと驚く格安物件も出てくるでしょう。安い物件が出回ることは消費者にとってはありがたいですが、安いなりのワケがあるはず。安易に飛びつかない方がいいでしょう」(榊淳司氏)
格安物件は掘り出しモノかどうか、見極めが必要になりそうだ。
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彼らが仕掛ける時は、必ず不動産市場が崩壊する前。
当然、崩壊後は略奪益が激減する。