就職ブルー
四年前の入職式以来、袖を通すことがなかったスーツ。
言うまでもない。
入らない。
ジャケットすらボタンを留められない。
数日後には、ある病院に面接に行くのだ。
とびっきりのを買おう。
セイユーで24回払い。
半年以上ぶりに、看護師として働くことにした。
凄くブルーだ。
就職ブルー。
患者が生きてるか死んでるかを気にしながらの通勤がまた始まる。
ミスをしたら人を殺しかねない恐怖も始まる。
医療ってのは激務なのに報われない。
気がする。
気がするだけ。
白フクロウを飼いたい。
きっと彼奴がいれば、
私を魔法の世界にいざなって、そんなのを忘れさせてくれるのに。
ああ、フクロウ
白フクロウ、
フクロウ、フクロウ、白フクロウ。
セイユーは、どこだろう。