ビザの更新手続きを進めるには、ここで立ち止まっていても仕方がない。そう思い、フランス語テストを受けにOFIIへ行くことに。

Convocation(召集状)には「8時30分から約半日拘束」と書かれていたため、仕事の有給をとり、朝早くストラスブールのOFIIへ。



入口で警備員の方に書類を見せて中へ入ると、薄暗い階段が目の前に。電気が切れているのか、それとも節電なのか分からないけれど、朝なのにかなりの薄暗さ。すでに7〜8人が黙って列を作っており、私もその最後尾へ。



しばらくすると、前に並んでいた女性が何かを尋ねに行こうと思ったのか列を外れ、受付前の男性職員の方へ近づいていった。

するとその男性が突然、強い口調で叫んだのです。


「そこのあなた、動かないでください!黙って待ちなさい!列を乱さないように!」



一瞬にしてピリッとした空気が張り詰め、誰も声を発さなくなりました。

時間になると、その男性から1人づつ呼ばれ 持ち物と身体検査を受けるのですが、

なんだかもう私達をまるで囚人かのように扱う様を見て、よほど日頃から移民を相手に良くない経験がおありなんだろうと気の毒にすら思いました。






結論から申し上げますと——

私の場合、テストは免除対象でした。

あの張り詰めた空気だけを味わったあと、別室に案内され、今度は打って変わって優しそうな女性職員の方と一対一。簡単な会話力テストという名の雑談を交わし、書類にサインして終了。外へ出るまで、30分もかかりませんでした。


「この30分のために、有給1日を使ったのか…」と思いたくなかったので、そのまま街へ。

平日のゆったりしたショッピングを楽しみ、気になっていたお店でランチをしてから帰路につきました。

結果的には、手続きの緊張と小さな解放感、そして自分なりのご褒美のある一日になりました。