無力さになげいて

言葉も持たない私は


必要ないね



あなたのことを


分かった気でいることが


そばにいる唯一の理由だった

トリさんはいった


「わたしを食べるのなら、モモが美味しいわよ」


トリさんは歩けなくなった



ウシさんはいった


「わしを食べるのなら、舌がいいぞ」


ウシさんはしゃべれなくなった



ブタさんはいった


「ぼくを食べるなら肩がいいよ」


手が動かせなくなった




ぼくはいった


「ごちそうさま」







ペタしてね

ばれるのが怖かったんでしょう



髪をくしゃってなでる手が

私のものじゃないとわかったとき


それの壊れる音が

いやに耳に響いた



怖かったのは私







過去に行けるなら


自分のことを抱きしめたでしょう。


もうがんばらなくていいから


泣いてもいいから


そんな顔をしないでと。



未来にいけたなら


自分に笑いかけるでしょう。


私はけっこう


幸せものだったねって。