AI による概要
「クマは山が餌不足(ドングリ不作)の年でも、実は飢餓状態ではなく、脂肪をたっぷり蓄えていた」という事実は、日本の最新の研究で明らかになり、従来の常識を覆す発見として大きな注目を集めました。
東京農工大学や島根県中山間地域研究センターなどの国際研究グループが発表した調査の概要は以下の通りです。
調査の概要調査対象: 島根県内で2003年〜2018年(16年間)に有害捕獲や交通事故などで死んだツキノワグマ 651頭
測定方法: クマの「皮下脂肪」「内臓脂肪」「骨髄脂肪」の3つの量を詳細に計測判明した
事実: 主食であるドングリ(ブナ科の木の実)が凶作・不作だった年であっても、秋に捕獲されたクマの内臓脂肪率は平均40%に達しており、栄養状態が極めて良好(良好とされる基準は35%)であることが分かりました。
なぜ餌不足なのに脂肪が減っていないのか?前年の蓄えや代替の餌があるためドングリが不作の年でも、クマは前年の豊作時に蓄えた脂肪を維持していたり、山の他の植物や果実、昆虫などを臨機応変に食べて栄養を補給しています。人里の「より魅力的な餌」に引き寄せられているクマが人里に降りてくるのは「山に食べるものがなくて餓死しそうだから」ではなく、「人里にある柿、クリ、耕作放棄地の作物など、楽に大量のカロリーを得られる美味しい餌」を狙って遠征してきている可能性が高いことが示されました。冬眠に向けた強烈な食欲(生理現象)秋のクマは、冬眠に備えて満腹中枢が一時的に機能しなくなる「過食期(ハイパーフェイジア)」に入ります。この時期は「少しでも多くの脂肪を体に詰め込みたい」という本能(生理的欲求)が働くため、栄養状態が十分に良くても、さらに効率的な餌を求めて人里へ出没します。
この調査結果が意味することこの発見により、これまでの「ドングリが不作だからクマがかわいそう」「飢えているから仕方なく降りてくる」という見方は必ずしも正しくないことが分かりました。今後のクマ対策としては、山の豊凶を心配するだけでなく、「人里側にある魅力的な餌(放置された果樹や生ゴミ、ペットフードなど)を徹底的に除去し、クマを引き寄せない環境を作る」という物理的なアプローチが不可欠であると専門家は指摘しています。