*2015年10月22日*0歳3ヶ月*
CTを撮り終わり、再び小児科の前の待合室で待つ。
しばらくして、M先生に呼ばれ診察室に入る。
M先生の前にあるパソコンには、先程撮ったCTの画像が写し出されている。
それを私に見せながら、M先生は言う。
「脳に腫瘍があります。
この腫瘍が原因で水頭症という、脳の水の流れが悪くなっている状態になっています。
そのせいで脳や神経が圧迫され、嘔吐や顔面麻痺が出ているようです。」
?????
私の頭の中は、ハテナ??でいっぱいだった。
『脳に腫瘍』と言われても、それが何かはすぐに理解できなかった。
M先生は続ける。
「〇〇病院(子どもの専門病院)に行った方が良い。
たぶんそこで手術になると思います。
今、連絡して準備をするので、りーたんはそこのベッドに寝かせて、お母さんは外でお待ちください。」
そう言われた私が、先生に唯一聞いたことは、
『腫瘍って、、大きいんですか?』
だった。
M先生は私の目をじっと見て、何も言わずにゆっくりと頷く。
待合室で待つ義母の元に行き、脳に腫瘍があることを伝える。
私はこの状況が、まだ全く理解できておらず、
一言で言えば、『キョトン』としていたと思う。
「〇〇病院には今から行くの?」
「〇〇病院ってどこにあるの?」
「行くなら、このままタクシーで行く?」
などと義母と話しながら待つ。
10分くらいして先生に呼ばれ、診察室に入る。
先生から、これから救急車で搬送することを伝えられると同時に、ストレッチャーと救急隊員?のような人達が入ってきた。
あ、救急車で行くんだ、、。
りーたんはストレッチャーに移乗して体を固定される。
まだ赤ちゃんなので小さく、固定ベルトがゆるゆるだ。
その時にふと、りーたんの頭を見る。
りーたんの頭の大泉門がパンパンに張っていることに、気が付き、触ってみると、本当にパンパンで硬かった。
『先生、大泉門がパンパンなのは、水頭症だからですか?』
と聞いてみる。
「そうです。普通はもっと柔らかいんです。」
と先生は答える。
そうこうしているうちに転院の準備が整った。
救急車で付き添えるのは一人だけとのことで、義母には電車で来てもらうことになった。
ストレッチャーで診察室から救急車まで運ぶ。
途中、少しの段差でストレッチャーに『ガタン』と振動が加わる。
するとM先生は、救急隊員の方に
「なるべく振動を与えないで。慎重に運んで。」と指示する。
それを聞いた時に、
「え?そんなに?
そんなに慎重に扱わなきゃいけない状態なの?」
と驚いたのを覚えている。
救急車にりーたんを乗せ、私も横に座ると、
なんとM先生も付き添ってくれるようで、救急車に乗ってきた。
まさかM先生が付き添ってくれるとは思っていなかったので、
とても心強く、ありがたく感じる。
りーたんと私、そしてM先生を乗せた救急車は、サイレンを鳴らしながら出発する。