今回の会場、スズナリは

小夜にとって非常にしんどい場所だった。


3年前の『泥花』千秋楽

公演中に具合が悪くなり

ロビーへ出たら、出番待ちの役者さんがたくさんいて

川田さんがお水を持って来てくれたり

外山さんが毛布を持って来てくれたり

と、本番中にも関わらず、気を使わせてしまい

東さんにはトイレに行くタイミングを計らせてしまい

もう申し訳ない気持ちでいっぱいいっぱいになってしまった。

それ以来、閉鎖された狭い空間(劇場や電車)に入ると

発作が起きるようになってしまった。

ベニサンピットなんか、森下の駅を降りただけで

苦しくなって歩けなくなってしまうほどだった。

心療内科に通い

薬を飲みながら、劇場に行っていた。

少しずつ、症状は改善してきたけれど

スズナリには怖くて行けなかった。


そして今回。

同じ劇団の、同じ千秋楽。

せめて日にちだけでもずらそうと思ったけど

仕事の都合で、どうしても無理だった。

迷ったけど、行った。

下北沢の駅を降りると、眩暈がしてきた。

お腹が痛くなってきた。

でも、整腸剤を飲んで

入り口近くの席に座ったら

いつも開演まで苦しむ不安感があまり無かった。

2時間、ちゃんと観ていられた。

本当に嬉しかった。