物言わぬ愛機が、男に何かを語りかけた気がして、男は心の中で一人ごちた
「フッ、分かったよ、今夜も楽しもうぜ…」
男はヘルメットを手に取り、愛機にキーを差し込んだ
愛機はすぐに目覚め、猛々しさを抑えたようなエキゾーストノートを響かせた
「ご機嫌だな、相棒…、さて、行こうか」
男がスロットルを開けると、愛機はその咆哮を響かせ鞭を入れる度、その勢いを増していった
男と愛機は、自然と南へと針路を取った…
海へ…
しばらく後、男は海に佇んでいた
波の音、潮の香り、潮風にそよぐボウズ頭…
暮れゆく夕陽に照らされた海が、黄金色に輝いていた…
![2014072522280000.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20140725/22/ai1106-1106/1f/07/j/t02200165_0640048013014185952.jpg?caw=800)
男は、夕暮れの太陽に同化してゆくのを感じながら、おもむろに煙草に火を着けた
その時、男のガラケーが鳴った
「チッ、不粋な電話だぜ…」
気だるそうに出た電話の向こうから、乾いた声が命令を伝えた
「ぽち太中佐、明日の訓練の詳細を伝える。明日、ぽち太騎兵旅団は、富山市へ向け出発せよ。明日は富山市内の業務宿舎(ビジネスホテル)に投宿し、現地の食文化を調査せよ。明後日は、五箇山・白川郷の世界遺産を廻り、現地の伝統文化、民情を調査せよ。以上」
一方的に電話は切られた
「勝手を言ってくれる」
いつになく苛立ちを見せた男は、苛立ちの訳に今更気付いた
腹が減っていたのだ
「仕方ねえ、相棒、帰るぜ」
![2014072522280001.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20140725/22/ai1106-1106/72/d3/j/t02200165_0640048013014203116.jpg?caw=800)
愛機に向かって呟き(ツイートではない)、飲み干した缶コーヒーを片付けると、夕暮れに染まる愛機に再び語りかけた…
「行くぜ、相棒…」
![2014072522300000.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20140725/23/ai1106-1106/6a/fe/j/t02200165_0640048013014225180.jpg?caw=800)
男は司令部に向かうべく、愛機をアウトバーン(産業道路)に乗せた
相変わらず心臓(エンジン)は疲れ知らずに吹け上がっている
ふと、スピードメーターに目を遣ると、「ぬあを
![!!](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
少し慌ててスロットルを戻し、愛機をなだめるように、男はつぶやいた
「おっと、やんちゃは明日まで取っときな」
そして、愛機に燃料を満たし、明日に備えて男は眠りに就くのだった…
…って、ハードボイルドは疲れるから、もーやんないぞ!!
と、固く誓うぽち太でした…
お寝みなさい…
![星空](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/122.gif)
![ぐぅぐぅ](https://stat.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/030.gif)