ミシェルは今年の2月に【門脈シャント】の手術を受けました。


肝臓に流れていくはずの血管にバイパスがあり、血液が肝臓を通らずに心臓に回ってしまいます。


本来なら肝臓で解毒されるはずの血液が、毒を持ったまま体中に流れてしまう病気です。


この不要なバイパスにリングをはめて流れを止めることで、きちんと肝臓に血液が流れていく様にする…という手術をしたのです。


これは手術後、退院したての頃の写真です↓


難しい病気ですが、外科手術をすれば普通のコと変わらない生活が出来るようになります。


薬で症状を抑えながらの生活か、手術か。


手術で完治できるなら…と、迷わず手術を選びました。


普通の病院では手術が出来ない為、青森県の大学病院での手術でした。



手術の結果が成功か失敗かは微妙です。



というのも、術後の血液検査の結果が良くならないのです。


肝臓で解毒されるはずのアンモニアと胆じゅう酸の濃度が高いまま。


これは、術後も肝臓に血液が流れていない…という恐れがあるということになります。


術後1ヶ月、2ヶ月、そして先日受けた3ヶ月検診も、結果はダメでした。



病院からは『また来月検査します』と言われ、術前から服用しているアンモニア濃度を下げるための飲み薬を渡されました。


なぜ、経過が良くないのに何もせず、検査ばかり繰り返しているのか…


これには理由があります。


バイパス血管の流れを止める為に取り付けたリング。


なるべく身体の負担にならないように、徐々に締まっていく仕組みになっています。


完全に閉まるまで2~3ヶ月かかるとのこと。


この為、手術をしてすぐに良くなるワケではないのです。


だから今まで、飲み薬だけ飲ませて経過を見て来ました。


今回の検査結果が出て、病院からは『来月また検査』と言われていますが、正直諦め気味です。


この手術の過去の症例では、術後1ヶ月過ぎれば血液検査の数値に改善が見られるはずなんです。


ほとんどのコが手術で完治する中、ミシェルはダメだったのかもしれません。


来月また検査をしても、結果は同じなんじゃないか…と思います。


こんな言い方だと諦めたように聞こえるかもしれませんが、違います!


検査検査と引き延ばすのではなく、それよりもこれから先の治療を考えていきたいんです!


手術がダメだった…なら仕方ないじゃないですか!!


何もしないでいるくらいなら、他の方法にチェンジでしょ('-^*)/



とは言っても、『手術をすれば治る』と信じきっていたので、本当は戸惑っています。


これからミシェルはどうなってしまうんだろう…という不安でいっぱいです。



門脈シャントは、先天性か後天性かで運命が決まります。


先天性のコは手術が可能ですが、後天性のコは手術不可能です。


後天性の場合、手術でバイパス血管を塞いでも、代わりに別のバイパスが出来てしまうんです。


かといって先天性のコが必ず再発しないというワケではありません。


もともと肝臓の働きが悪いコの場合、肝臓を守ろうとして新たにバイパスが出来てしまうことがあります。



肝臓の働きが悪い

    ↓

なら肝臓の仕事を減らしてあげよう!

    ↓

そんなら血が回らないようにすればいいんじゃない?

    ↓

バイパス作って、そっちに血を流しちゃえ☆



といった所でしょうか(;´Д`)ノ


なんて怠け者の肝臓さんなのでしょう。


ミシェルの場合、レントゲンに写る肝臓が普通のコよりかなり小さいので、上の状態の様になっている可能性が高いと思います。


もしかしたら、手術で閉める血管を間違えた…ってこともあるかもしれませんが(笑)


結局はどんな理由で、どんな経緯で、今に至るのか。


ミシェルの身体の中で起こっていることですから、こればっかりは誰にも分かりません(^▽^;)



同じ病気のコのほとんどが手術で完治できたのに…

周りの知り合いのコ、ブログのお友達のコ、健康なコは大勢いるのに…

なんでミシェルは違うの?


なーんてことは考えません☆


ミシェルは十分ラッキーなコなんですから。


結果はどうあれ、手術が出来ただけでもラッキーなんです。


門脈シャントのワンコたち…手術がしたくても出来ないコが大勢います。


後天性の為に諦めるしかないコ。

身体が小さすぎて出来ないコ。

高齢で手術に耐えられないコ。

シャント血管が肝臓の中にあって出来ないコ。

シャント血管が他の血管に絡まっているせいで出来ないコ。


シャント血管のちょっとした位置の違いで、手術出来る・出来ないが分かれてしまいます。


ミシェルなんか、胃の裏側にあったのに手術できたのですから、こりゃラッキーでしょう♪


開腹してもシャント血管が見つからず、先生の大捜索のおかげで胃の裏側にあるのを発見したんですって。


先生にもとても感謝しています。



血液検査でこそ良い結果が出ず、手術は失敗…のように思えますが、


あながち失敗とも言い切れないんですよ( ´艸`)


術後、ミシェルは確実に元気になりました。


急に食欲も出て、おかげで体重もかなり増えた!


散歩の時にリードを引っ張る力も、以前と比べ物にならない程強くなりました。





こんな感じで、だるそうに一日中寝ていたのに…今では家中を走り回っています。


とにかく、元気いっぱい≧(´▽`)≦


『検査の数値以上に、そういう目に見える変化が大事だ』と先生が言ってくれました。


一緒に生活している私たちから見ても、術後の確実な変化を感じます。


そんなミシェルの元気さに、検査の数値が伴わない。


これが不思議でたまりません。


『こんなに元気なのに、なんで?』と、先生さえも嘆いています。



医学は進歩しているといっても、ミシェルの病気もまだまだ手探りです。


造影剤を使ってもレントゲンで全ての血管が見えるワケではありません。


結局、検査結果が良くならない原因も、お腹を開けて調べる方法以外ないのです。


ミシェルの場合、先天性とはいえ、もう一度手術しても再発する可能性が高いそうです。


この場合、もう手術は出来ないと言われています。


たぶん、これからは投薬で病気の症状を抑えていくことになると思います。




ミシェルの病気が分かった時、『出来ることは全てやる』と決めました。


もう何も出来ない。と言われるのは想像以上に辛かったです。


これからは、ミシェルとお別れする日のことを考えてしまうこともあるのでしょうね。


病気が分かった時から、漠然と…それが怖くて怖くて…


でもなんだか急に近づいたみたいで、涙がこぼれたりします。ちょっとだけね(ノ_・。)



正直、ミシェルを我が家に迎えた時、こんなことになるとは思っていませんでした。


けれど、ミシェルを飼わなきゃ良かったと思ったことは一度もありません。


これだけが私の誇りです。


世の中には病気のペットがたくさんいて、その病気と一緒に戦っている家族がいます。


いろんな病気があって、いろんな苦労があって、でも頑張っています。


健康なワンコと楽しく暮らせるのが一番だけど、負けないくらい楽しいです。


ミシェルが一緒にいてくれるだけで幸せです。




長々と書いてしまってゴメンナサイ(´0ノ`*)


これから先も病気なんかに負けないように、文章にすることで自分の気持ちを確かめたかったんです。


今までミシェルの病気のことは怖くてあまり書けませんでした。


今回書いてみて、頭がスッキリしました☆


気持ちを新たに『頑張るぞー!!』って気分になってきましたヽ(゚◇゚ )ノ


最後までお付き合いして下さった方、こんな文章に目を通して下さって有難うございました。