題目は訪問看護経営セミナー
~訪問看護における経営~
に、ついてとなっていますが、、、
内容的には訪問看護制度が開始してから現在までの変遷についての内容のお話でした。
日本の医療の最大の特徴は、「国民皆保険」に支えられたもの。簡単に言えばすべての日本国民がそれぞれの健康保険に加入し、自由に医療を受けられる制度。
世界に誇れる、大変素晴らしい制度です。
2000年には、これまでの国民皆保険に加え、介護保険制度もスタートしました。これで、日本の医療、介護を取り巻く制度は充実したのですが…。
現在、日本の高齢化率は上昇の一途をたどっており、医療や介護の財源が逼迫するようになってしまい、今年度6月にも保険改定がありました。
そもそも、訪問看護はいつ生まれたのでしょうか?
訪問看護の始まりは、1920年頃、民間組織の「慈善看護婦会」が、患者を看護するために、病院や家庭に看護師を派遣したことが始まりと言われています。
訪問看護が始まった頃の訪問看護指示書です
現在に比べ簡素ですが、大きく変わりはないです。
1920年代、大正時代やそれ以前の日本では、チフスやコレラなどの感染症で命を落とす人が大勢いました。感染症患者の看護のために派遣されたのが、慈善看護婦会の看護師が訪問看護の始まりと言われています。
時代は昭和にうつり、1960年頃になると脳血管障害などによる麻痺や寝たきり高齢者の増加がクローズアップされ、、、
1982年には「老人保健法」が制定、1983年からは退院後の患者への訪問看護が医療保険の適応になりました。
これまでは、ほぼボランティアのように行われてきた訪問看護でしたが、医療保険の診療報酬に反映されるようになりました。往診医のかばん持ち看護師から看護師の訪問で報酬を貰える制度へと確立されていきました。
その後、訪問看護の対象は、高齢者だけでなく、精神科患者やがん、難病患者へも広がっています。
1996年(平成8年)、看護師基礎教育課程において、「在宅看護論」が新たにカリキュラムに加わったのです。
これは、社会での在宅医療のニーズの高まりを受け、すべての看護師が在宅看護の知識を習得しておかなくてはならないと考えられたからです。
このように、訪問看護は時代を追うごとに社会から求められ、その地位を確立してきたのです。
訪問看護ステーションの現状
訪問看護ステーションは、全国に約12,000ヵ所あります。1事業所当たりの常勤換算従事者数は、7名程度となっています。そのうち、5名程度が看護師という内訳です。
「かんごちゃん」47都道府県Ver.
訪問看護ステーションが提供するサービスは、病状観察、療養指導、内服管理、リハビリテーション、日常衣生活の介助、精神障がいや認知症のある人への援助など、多岐にわたります。
さらに最近は、ターミナルケアのニーズも高まっています。近年の日本では、医療制度が整うにつれて病院で亡くなる人が増えましたが、「やはり自宅で最期を迎えたい」と願う人が増えてきました。その願いを叶えるのが訪問看護ステーションです。
終末期医療の観点からも、訪問看護ステーションの重要性はますます高まってきています。
管理者 早川