音楽制作を始めてから、気づけば4年くらい経った。
最初の頃はDAWの操作もよく分からなくて、YouTubeで「FL Studio 初心者」と検索しながら、夜中にヘッドホンをつけて何時間も音を触っていた。
今では自分なりの作り方も少しずつ分かってきたけれど、最近ずっと気になっていたことがある。
それは、AIを使った音楽制作はどこまで自分の作業を助けてくれるのか、ということ。
特に試してみたかったのが、Voice Change と MP3 to MIDI の変換だった。
正直、最初は「本当に使えるレベルなのかな」と半信半疑だった。
でも実際に触ってみると、思っていたより便利な部分もあれば、まだ人間の調整が必要な部分も多かった。
Voice Changeを試して感じたこと
最初に試したのはVoice Change。
きっかけは、友人のボーカル素材を使って曲を作っていた時だった。
声自体はすごく良かったのだけど、作っていたトラックの雰囲気と少し合わなくて、普通にピッチを変えるだけでは違和感が出てしまった。
そこで、AIを使ったVoice Changeなら声の印象そのものを変えられるのではないかと思い、試してみた。
結果は、正直に言うと「あと少し」という感じだった。
声の雰囲気や高さはかなり変化する。ただ、細かく聴いてみると、子音の部分に少し違和感が残ることがあった。
特に「さ行」や「た行」の発音は、元の声と比べると少し機械的に感じる瞬間がある。
ただ、完全に使えないというわけではなかった。
変換後にDAWでEQを調整したり、少し加工を加えることで自然に近づけることはできた。
ゼロから録り直すことを考えると、作業時間を短縮できる部分はかなり大きいと思う。
MP3 to MIDIは想像と違う面白さがあった
次に試したのが MP3 to MIDI の変換。
以前から、ふと思いついたメロディや鼻歌をMIDIデータにできたら便利だなと思っていた。
でも、毎回耳コピするのは時間がかかるので、そのまま放置しているアイデアも多かった。
AIに音声ファイルを読み込ませてMIDI化してみると、最初の印象は「意外と近い部分もある」というものだった。
単純なメロディラインなら、思ったより認識される。
一方で、複数の楽器が重なった部分やコードを含む音源では、まだ正確に変換するのは難しいと感じた。
特にピアノや複数の音が同時に鳴っている部分では、元の演奏とはかなり違うMIDIになることもある。
調べてみると、この問題は音楽情報処理の分野でもまだ難しいテーマらしい。
実際に使ってみた感覚と、技術的な難しさが一致していて少し納得した。
変換後に気づいた小さな問題
個人的に一番気になったのは、MIDI化した後の表現力だった。
音程自体はある程度合っていても、ベロシティ(音の強弱)が均一になってしまうことがある。
人間が演奏すると、同じ音でも強さやタイミングに微妙な違いが出る。
その部分がなくなると、どうしても少し機械的な印象になる。
結局、MIDIエディタで一つずつ調整することになった。
ベロシティに少し変化をつけたり、タイミングを軽く修正したりするだけでも、かなり自然になる。
地味な作業だけど、こういう最後の調整が音楽制作では大事なのかもしれない。
いくつかのAI音楽ツールを試してみて
実験している中で、Freemusic AI のようなブラウザで使える音楽ツールも触ってみた。
個人的には、複雑な設定をしなくてもすぐ試せるところが面白かった。
アイデアを確認したい時や、「こういう方向性はありかな」と考える時には便利だと思う。
ただ、どんなAIツールでも、今のところ自分の代わりに完成品を作ってくれるものではないと感じている。
AIは「完成させるもの」ではなく「きっかけ」なのかもしれない
4年間音楽を作ってきて思うのは、結局最後に必要なのは自分の耳と感覚だということ。
AIはアイデアを出したり、作業時間を短くしたりする手助けにはなる。
でも、音の雰囲気を決めたり、「ここは少し違う」と感じ取ったりする部分は、まだ人間の役割が大きい。
個人的には、そのくらいの距離感がちょうどいいと思っている。
全部AIに任せるのではなく、面倒な部分を少し助けてもらう。
そのくらいの使い方のほうが、音楽制作の楽しさは残る気がする。
