(CNN) 仏製薬大手サノフィパスツールの開発したデング熱のワクチンが、
患者の症状を悪化させてしまう可能性があることがこのほど明らかになった。
これを受けフィリピン政府は、
同ワクチンを使った大規模な予防接種キャンペーンを中止した。
問題が指摘されているのはサノフィのデング熱ワクチン「デングワクシア」。
同社が11月29日に公表した臨床試験データによると、
過去にデング熱のウイルスに感染したことのない患者が、
デングワクシアを接種された後にデング熱に感染すると、
症状が重症化する可能性があることが分かった。
一方、過去に感染したことのある患者に対しては予防効果があると強調している。
世界保健機関(WHO)は同年7月に公表した論文で、
デング熱に感染したことのない人がワクチンを接種されると、
リスクが増大したり、症状が重症化したりする理論的な可能性があると警告していた。
それにもかかわらず、フィリピンでは先週まで予防接種の呼びかけが行われていた。
デング熱はネッタイシマカが媒介する感染症で、
WHOでは、世界の人口の約半分にウイルス感染のリスクがあると推計。
年間の感染者は3億9000万人に上る。
フィリピンでの状況を受けサノフィは「ラベル表示の改訂」を提案。
新たな表示により、デング熱に感染したことのない人には
ワクチンを接種しないよう勧告するとしている。
参考
デング熱ワクチンに関するWHO position paper, 2018年9月
【追記】
「新型コロナワクチン」が開発された場合も
理論的に「ワクチンを接種すると重症化する」可能性があるのです。