私達夫婦は周囲から見たら
仲良し夫婦に見えるらしい。
夫は学校行事も参加して
良い父親と思われている。
それを知ってた夫はピエロだ。
仮面夫婦と言う真実を知らない。
私は子供達に合わせて仕事をする日々。
子供達が学校へ行くと仕事に出る。
帰って来たら家に居る。
子供達が寝静まる夜にまた働く。
子供達が起きる前に家に戻り
また仕事に行く生活。
常に睡眠不足だった。
それでも働かなきゃやっていけない。
どうしても駄目な時だけ
母親にお願いはしていたが
子供達は大きくなっていたので
さほど手が掛かる事は無かった。
ある日、平日に久しぶりの休日を
私は過ごしていた。
子供達も居ない休日。
眠気に襲われていた。
少し眠ってから
衣替えの準備をしていた。
ふと引き出しに目が止まる。
引き出しの中には
何社もの借用契約書があった。
借り主は全て夫だ。
金額を確認していく。
絶対に低所得の夫には支払えない金額。
そしてこの家に根抵当権までついている。
姑と同じ事を夫はしている。
私は急に怖くなった。
母親から姉妹にプレゼントされた宝石が
いくつかある。
普段は身に付けないのでそのままにしていた。それも無い。
金目の物が全て家から消えていた。
私は震えた。
真実はひとりしか知らない。
更にその日ある出来事を
知ってしまった。
それは、私が仕事に行った日の出来事。
夫は子供達と浮気相手を会わせていた。
夫は子供達と一緒に再婚する計画を
立てていた。
だが、子供達は懐く筈もなく
失敗に終わったらしい。
そんなご丁寧な浮気相手からの手紙を
発見してしまう。
浮気相手はもっと頑張ると
手紙には書かれている。
イライラした。
それでも私は夫を責めない。
その日夫に一言だけ告げた言葉がある。
私と離婚するならそれでも構わない。
ただその時はあなたの一番嫌いな女になって別れてやる。
多分既に一番嫌いな女の筈なのに
私は訳の分からない発言をした。
夫はなにを言われてるのか
腑に落ちなそうな顔をしていた。
私はこの日を境に変わってしまった。
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