年少の1月、保育参観があった。

工作の参観。


テーブルには工作の準備がしてあり、みんなちゃんと自分の席に座って、歌を歌い始めた。

息子は、手持ち無沙汰になって、目の前に準備された折り紙をぐちゃぐちゃにしてしまっている。

しばらくすると座っていられず、先生にしがみ付きながら一緒にしゃがんでいる。

いつもこんな風に手を煩わせてしまっているんだなと、申し訳なく思った。


ピアノの音、まだ音程の取れない子ども達の叫ぶ様な歌い声、目の前の準備物、周りにはたくさんの保護者。


教室から出ないだけでも○だ。


しばらくすると椅子に座った。




先生が前に出て、大きな折り紙で、見本を折っていく。

ハサミで切ったりする作業もある。

途中からは保護者も手伝いながらの工作。

息子はもちろん出来ないので、私が代わりに折る。



周りの子達は、保護者と一緒に上手に出来ていた。



上手くハサミも使えない、折り紙も折れない。

指示通りに切るなんて、全くできない。



同じテーブルの保護者には、この子、全然やらないなぁ変な子だなぁと思われたかな?

そんな被害妄想的な気持ちになって、冷や汗をかきながら、なんとか完成させた。



落ち着かない息子に気を揉んで、写真やビデオを撮る気分にもならなかった。


2月の保育参観日。

みんなで「大きなカブ」のお話をやる。

動物の猫、犬、ウサギ、ネズミのチームに分かれて、頭に動物の顔が描かれた冠をかぶる。

息子はもちろん、かぶるのを拒否。


一応、手伝ってもらったのだろうけど、ネコの顔が描けていた。

みんなで長い紐を引っ張る。


うんとこしょ、どっこいしょ。


なかなかみんなの中に入れず、紐がつかめない。

私が空いている所をつかませて、なんとか参加出来た。




保育参観は、周りの目が気になって、先生にも申し訳なくて、健常児との差を改めて認識させられる。

全然楽しめない、辛いイベントだ。




保育参観以外でも、

ある日、用事があって園に行った時、

息子の教室を覗くと、

みんながきちんと椅子に座って、何かしている。

息子は床に寝転がって外を見ていた。




またある日、園の横を通った時、園庭を見ると

ピンクのカラー帽のクラスの外遊び中に、1人黄緑色のカラー帽を被って遊んでいる息子が見えた。



お迎えに行くと、先生から1日の出来事を聞く。

脱走した、池に落ちた、トイレで遊んでた、

工作は最初は出来たけど、あとは出来なかったなど、

お迎えのたびに、今日は何をしてしまったのだろうと、胃が痛くなった。



そんな事ばかりが続いて、



なんで、みんなと同じ事が出来ないの?


なんで?もう嫌だ。育てたくない。


一度だけ、誰もいない家でわんわん泣いた。