私は多くの人同様虫が苦手だった
怖くて蚊を殺すこともできなかった
蟻なんて毎日沢山踏んでしまっているだろうけど
故意に潰したことは一度もない


虫が現れるとパニックになって
我を忘れて叫び狂い
部屋に1匹でも虫がいたら廊下で寝た
お子様達に人気のてんとう虫やダンゴムシも
恐ろしくてしかたなかった


一人暮らしのデメリットは
虫退治してもらえないことだと思い
未来を案じたりもした


でも5年ほど前ふと私は考えた
私はどうしてこんなに虫が苦手なんだろうと




そしてその後
小さい頃初めて恐る恐る野良犬を触った時のように
新たな世界の扉開かれることになった



まず、なぜ怖かったのか



得体の知れないものへの恐怖
動きが予測不可能
蜘蛛とかムカデとかバッタ等見た目無理問題
防御反応
人の力で殺めてしまう加害恐怖的なもの
先入観による決めつけ
驚きやすい性格


このくらいだろうと思う


普通大人になると幽霊等怖くなくなるように
虫への恐怖心はなくならないのはなぜか


怖い無理!と初めから決めつけて
よく知ろうともしなかったのではないかと
そもそも近付いてよく見たら可愛い虫は沢山いた


よく見たら可愛かった代表格とりあえずTOP3


ハエトリグモ  






今では毎年春来てくれるのを心待ちにし
枝垂れ桜に群がる熊蜂の大軍に身体ごと
つっこんでいきガン見するし
視力の弱い熊蜂にメスだと間違われ
近寄ってこられることに喜ぶ変態と化した



まんまるふわふわ可愛い熊蜂


もこ




嫌うなら正しく嫌うべきだと思ったのは
熊蜂を知ったことがはじまりだったと思う


攻撃力ほぼゼロの熊蜂を人は未だ怖がっている
それに蜂のオスは針を持たないことも
知る人は周囲に少なく勿論私も知らなかった
鍼を持たない蜂に刺されると思って
人は怖がり殺虫剤をふったりする事もある
アシナガバチなんかは割と温厚で
人の顔を覚えてもらえる
ミツバチは手乗りしてくれる



キュート




ナメクジの赤ちゃんなんて日本人なら皆好きな
可愛さを兼ね備えている
この世界に出てきたばかりな者特有の汚れなさ
小さく柔らかく潤ったプルプルのボディ
ナメクジの赤ちゃんには守りたい何かがある


ハエトリグモなんて
ディズニーピクサーでしかない
見た目がもう天才


蛾は人が勝手に蛾と名付けただけで
蝶も蛾も同じなのに蛾ってだけで扱いは変わる
何もしないのにそこにいるだけで
嫌がられてしまう蛾も
よく見たらとても美しい見た目をしている



あれほど怖かった蟻までが可愛く思えてきて
冬越しの支度の際には
お菓子を持たせてあげるようになった


虫達の多数は人間を怖がり逃げていく
近づいても来ない


最近はゴキブリに出逢っても
視界をぼやかす術で見ないフリをして
記憶も抹消している オブリエイト




うちには本職の方々も沢山いるので
増えすぎたりはしないと思う




とにかくうまく共存していきたい


虫嫌いだった若い頃はどこかで
傲慢で保守的排他的な心があったのだと思う
今は家というのも屋根のある野外なのだと
捉えることにしている
気持ちの持ちようで色々変わってくる


人を知れば知るほど犬が好きになると
言った人がいるけれど 虫も追加


歳をとるってそういうことなのかもしれない

 

今まで怖かったものが一瞬で怖くなくなるから


不思議。






庭に植えたレモンの葉を食べまくり


「何もしてません」の顔