スヤスヤと寝息すら立てて寝ているリス
さんを横目に、起こさないよう出来るだけ
静かに布団の中に入り込む。2人で寝ても
余裕のある広さのベッドの為、リスさんに
背中を向けるように横を向いて距離も手を
伸ばせば届くくらいの隙間を開けた。
先程のスリリングな体験と今のこの状況に
気分が高揚しているせいか眠気は感じて
いなかったが、眼を閉じると浅い眠りに
落ちていたようで、恐らく1,2時間くらいは
意識が遠のいていたと思う。
なんとなく、声が聞こえたような気がして
意識が覚醒する。すぐには分からなかった
けれど眠りから覚めていくにつれて、隣に
いるリスさんが発した言葉と認識する。
リ「寝ちゃったの?」
先に寝た癖に、と心の中で思いながら最初
はこのまま寝たふりをしようかと目論むが
今のこの状況に対してなぜか寝ているのは
勿体無いというような貧乏精神が擡げて
しまい、目が覚めた風を装ってもぞもぞと
身動ぎをしてみた。
私「…先に寝たのそっちじゃん。」
背中を向けたままでぶっきらぼうに言った
つもりだったけど、ほんのりと言葉尻に笑み
を隠せなかった。
リ「起こしてくれてよかったのに。」
そう言われても起こせるわけがない、という
言葉はリスさんが背中越しに回してきた腕に
抱かれたことで飲み込んでしまった。
どきんと鼓動が跳ねる。酔いも正直寝た為か
だいぶ覚めてしまったけれど、でも。
まだ酔いのせいにできるだろうか。
緊張のせいで、躊躇いがちになるのはわざと
ではなく。けれど、自らの意思を込めて
回されたリスさんの手に自分の手をそっと
重ねた。