ドラッカーの知識社会、そして高齢化社会を生き抜くリスク・マネジメント抜粋

人口の高齢化が進むなかで、60歳で働くことを強制的に禁止できるほど現代社会の生産性は高くない。60歳で全員に働くことを辞めさせたのでは、社会が扶養の重荷に耐えられない。


対策の一つとして考えられるのがシニア起業である。シニア起業には、さまざまなメリットがある。起業する本人の見地からすると、残された10数年から20数年の時間を、たとえリスクを背負うにせよ、有意義に過ごせるだろう。

社会の見地からすると、高齢者を労働力に組み込めるという大きなメリットがある。加えて、起業により職場が増えるとともに、シニアの智恵を若年者に伝えることもできる。結果、社会の活性化、人口減少社会の中での生産性向上も期待できる。

10年後、我々を取り巻く環境がどのようになっているのか、誰にもわからない。しかし、変化は必ず訪れる。どうせ起こる変化ならば、自ら変化の先頭に立って、自らが変化の担い手になるべきだ。ドラッカーはこのような人を「チェンジ・リーダー」と呼んだ。「自ら未来をつくることにはリスクが伴う。しかしながら、自ら未来をつくろうとしないほうが、リスクは大きい」
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