マドリッドで怪我をして救急病院に運ばれた話です。そういう話が苦手な方は以下読まないでくださいね。

 

 

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レントゲン撮影を終え、私は先生の往診を待っていました。この時点で病院に着いてから3~4時間が経過していたと思います。付き添ってくれていたヤンが、いつの頃からか離れた場所で待っているように指示されいなくなっていました。

 

一人でいた私はとにかく退屈で、退屈で、退屈で・・・。首が固定されていたので天井しか見ることができません。顔以外は元気な私は目はギンギン。眠ることができていたらどんなに楽だったことでしょう。じっーーーと耐えるしかありませんでした。

 

私は廊下に寝かされていました。患者の数に対して病院が小さ過ぎて、大勢の患者さんが廊下に寝かされていました。

 

数時間、一人でとてつもなく退屈な時間を過ごした後、やっとまたヤンが私のところに戻されました。嬉しかった。そうこうしているうちに女医さんが現れました。英語ができました。「レントゲン写真を見ましたが大丈夫です。骨は折れていません。ただしひびがあるかもしれないので確認しましょう。」と言って、私の顔をギュッギュッギュッと押さえ始めました。「ギャーーーーーーーー―!!」この時私はあまりの痛さに悲鳴を上げてしまいました。声は廊下中に響き渡っていたことでしょう。ヤンが私の手をぎゅっと握り、よしよししてくれていました。激痛の中それがとてつもなくありがたかった。

 

唇と口の右上が切れているので縫うことになりました。廊下にいたので横にはひっきりなしに人が通ります。そんな中での作業がちょっと怖かった。四針くらい縫いました。

 

この時点で00時でした。15時くらいに病院に運ばれてきているはずだから、9時間とかが経過していたんです。これでやっと帰れるかと喜んだのですが、首の確認もしなければいけないので首の先生を待つようにという指示がありました。がっくり!!

 

でもヤンが戻ってきておしゃべりできたのでだいぶ楽になりました。退屈しのぎに携帯電話で妹のほーちゃんに連絡とったりして遊んでいました。もちろんほーちゃんはびっくり仰天していました。

 

03時頃男性のお医者さんが現れました。英語ができました。「首のレントゲン写真を確認しました。問題ありません。帰っていいですよ。」「キャーー!やったーーー!!」  看護婦さんが首の器具を外してくれました。

 

12時間ぶりに自分の足で立つことができました。まだちょっとふらふらしました。この時横の人たちが拍手をしてくれていました。ベットに寝ていたおじいさんとそれに付き添うおばあさん二人です。頭がまだ半分ぼーっとしていてよくわからなかったのですが、ヤンいわくこの方たちが横で私のことをずっと心配してくれていたのだそう。見ず知らずの方々が心配してくれていたなんて、優しさにじーんとしました。