この教会は、
何という教会でしょう?




この建物は?




ここは、
アンネ・フランクの
隠れ家だったところです。


教会は、
アンネがよく隠れ家の窓から
眺めていた西教会です。


一年中、
観光客が大層な行列を
作っています。




一時間や二時間、
待たされるのは当たり前。


皆、根気よく待ち続けます。




私がアンネの家を訪れたのは
たしか7年くらい前。


人からタダ券を2枚もらったのです。


ちょうど、
私を訪ねてくれていた
妹と二人で出かけました。


二人とも
あまり深く考えず、
ただタダ券があったから
出かけて行ったようなものでした。


アンネがユダヤ人であるがゆえに
ナチスドイツに殺されてしまった話は
知っていましたが、


実際にアンネの家に踏み入れて、
ひどい衝撃を受けました。


一人の少女が、
この場所で毎日毎日
いつか自由になる日を願いながら
日記を綴っていた。

ナチスドイツに怯えながら。


その事実が私に迫りきて、
だんだん息をするのも
苦しくなっていきました。

観覧を終え、
建物から出たとたん
妹がつぶやきました。


「なんだか・・・
悲しくなっちゃった・・・・・。」


毎年8月の第一土曜日は、
アムステルダムで大々的な
ゲイパレードが催されます。


水路が巡る街
アムステルダムでは、
ボートに乗った同性愛者たちが
カナルをパレードして回ります。


このアンネの家の前のカナルにも
パレードは通ります。

奇抜な衣装に身を包んだ
同性愛者たちは、


やいのやいのと踊りながら
アンネの家の前を通り過ぎてゆきます。


そしてそれを眺める
大勢の見物人。


皆ビールやワインを片手に
大騒ぎの一日です。


私は
このカナルの人混みを眺めながら
いつも思うのです。
70年前、
アンネは隠れ家の窓から
カナルを眺めては、
いつの日か
外に出られる日を夢見ていました。


子供たちが
徘徊しているのが見えました。

どの子もやせ細り、
飢えていました。


まさかまさか、
70年後の同じ場所で
ゲイパレードが行われていようとは!





太陽の光と雲ひとつない青空があって、それを眺めていられるかぎり、どうして悲しくなれるというの?
ーーアンネの言葉よりーー






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