いやな人に、傷つけられて、
自信を失い、嫌気がさし、
やろうとしていたことを、
途中で放り出したくなってしまったようなとき、

「いま、だれを想って行動しているか?」

と考えてほしい。

そんなときこそ、目を転じてみてほしい。

あなたの道に、たとえ、どんなにいやな人がいようとも、
あなたをこれまで生かしてきた人、
いまも静かに生かしてくれている人の方が、実は、はるかに多い。

何かをやめるにしても、やるにしても、
いやな人を想っての決断ではなく。

自分を育て、見守り、自分の仕事を待つ人のことを想い、
そっち側から、動機を立ててみるべきだろう。


同じ決断でも、根本思想はずいぶん変わる。


「おとなの小論文教室。」/山田ズーニー