ときどき家の固定電話に酔っぱらいから電話がくる。


受話器から聞こえる雑音がかなりうるさい。失礼なことに名乗らない。


「もしもし?」 (この音の背景は、もしや・・・)


「yuzu?おとうさ~ん!今神戸」



やっぱり。


カラオケスナックのざわめきをBGMに一呼吸おいて名乗る人、

それは


ヨメに出した自分の娘としらふで話ができない。


出張先のスナックから、決まって酔って電話をかけてくる。




酔っているのはいいのだけれど、困ることがある。


なぜかいつも、見知らぬ人々と会話をさせられること。


つい先日も、このように。


「ちょっとまって、・・・おい、ミチコ、うちの娘!」


ミ 「もしもし?ミチコですぅ」


私 「え?あ、娘のyuzuです、

   いつも父がたいへんお世話になっております」


ミ 「え、あら、お嬢さん?たいへんお世話になっておりますぅ」


私 「・・・・・・(ミチコって誰・・・?汗)」

 

ミ 「・・・・・・(沈黙)・・・・あ、お父さんにかわりますねっ」


 「今のね、スナックのママだから~!」


もう!よそ様を巻き込まないでよっ。ご迷惑でしょ、まったくもーー!!


「で、なに?なんか用事?


「おまえ、最近、体だいじょうぶか?」


「うん、大丈夫だけど


「ほんとうか」


「大丈夫だけど、余命幾ばくもないかも(←もちろんウソ)


「え・・・」


「ウソだってー(こんなウソにひっかかることにますます


「・・・おまえ、元気でいてくれよ、

  お父さんは好きなことを好きなだけやってきたから

  いつ死んでもいいけど、おまえは・・・涙


「も~泣き上戸かよー、超・めんどう)、

  大丈夫だって。何、用事それだけ?」


こんな父によく似てしまった私(認めたくないですが)。


おかげさまで、好きなことを好きなだけする道を歩んでおりますあらら