峰不二子を追いかけるな!-上級コースのキャンセル通知とバランスコーチング- | ワタシ的コーチングのどうでもいい話

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コーチングっていったい何するの?コーチングすると何が起こるの?のほんの一例。

7月からの上級コースに向け、ご縁玉コーチングや有償クライアントとのセッションがはじまり、はやくも6月からエンジン全開であった私。そんな、私のところに、CTIから、「定員われのため、コースキャンセルのお詫び」という通知が!!!

ぎゃーーーーーーーーーーーーーー!この盛り上がっている気持ちをどうしたらいいの?!

と、大荒れの際に、バランスコーチングをやってもらった記録です(^▽^;)

バランスコーチングは、物事に対して、たくさんの新しい見方を提供してくれるツールです。どの視点にも良い悪いはありませんが、クライアントは、これまでの思い込みを一度手放し、物事の見方を自ら新しく選択するができます。これをメガネに例え、いろんなメガネを通して物事を見ることができる、と表現されることもあります。

さて、大荒れの私が最後に手にしたメガネはなんだったか。
少し長いですが、あっと驚く結末まで、ご一緒にどうぞ♪

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

いよいよ7月!と鼻息も荒く、残業の疲れを吹き飛ばそうとラーメン屋に列を成していたその時、不吉な着信音とともに、一通のメールが・・・。

「開催要件の申し込み人数に達せず、まことに申し訳ありませんが、今回の上級コースをキャンセルさせていただきました。つきましては、他の日程のご検討を・・・」

ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
心の中で叫び、ほどよく目の前に運ばれてきたラーメンに、勢いあまって、生にんにくを絞り込みました。

やってらんねー!

頭が真っ白になり、絶望の二文字が浮かびました。

そもそも上級コースの日程が合わない。毎週火曜日に実施されるコールが、ダンナの仕事の都合で参加できない。それが、この7月の開催コースだけは、ダンナの比較的融通がきく夏休み期間にかぶっている上、火曜日以外の日程が多い。老後の楽しみになるかもと半ば諦めていた上級コースに、申し込めただけでも奇跡みたいなものだったのに・・・。

背後に並んだ席まちの客をよそに、ラーメンを一気食いして、生ビールのおかわり。
心で泣きながら、思いのたけをメールで返信しました。
「他の日程は難しいんです・・・」

だが、しかし。もう、はっきり「キャンセルした」って書いてあるし、いまさら覆るわけもない・・・。

出鼻をくじかれたとは、まさにこのこと。
この2年間、ひたすらコーチングの神様に引き寄せられて、呼ばれてきたと思っていたのは、勘違いだったかぁ。この日は、むなしくビールを飲み干してから、家路に着いたのでした。

コーチとのセッションはその翌々日。
気持ちが整理できない私は、バランスコーチングでのセッションを要望しました。「上級コースが直前にキャンセル」なんて、まさに、バランスコーチングにうってつけのネタ(汗)

私は、ひととおりの思いのたけをコーチにぶつけたあと、無線マウスをこのテーマの象徴として部屋の中央に置きました。

その真正面にすわり、マウスを眺めるところから、バランスコーチンはスタートします。

-そこから見たとき、’上級コース’は、どんな風に見えますか?

問われた瞬間から、はっきりとしたイメージが見えてきました。それは、すかしたバイクにちょっと寄りかかるような感じで立つ、ライダーースーツ姿の峰不二子です。もちろん、おきままりの胸の谷間が、ばっちりと覗いています。

-ルパンⅢ世の峰不二子ですね。

そりゃないぜ、ふじこちゃん!
ルパンの情けない声が聞こえる・・・。
一緒にお宝をゲットしようと乗り気だったはずなのに、こっちをのせるだけのせておいて、手のひらを返すなんて。

一方、ふじこちゃんはまったく悪びれる様子もなく、いつもの甘い声で、悪いわね、ルパン♪

-のせるだけのせておいて、裏切れらた気分です。この欲求不満をどうしていいかわかりません。
-それでは、その視点に名前をつけましょうか

私はフセンに『そりゃないぜ!』と書いて、マウスの正面に置きました。

-そりゃないぜ、って書きました。
-それでは、動いて新しい視点を探しましょう。

私は、ひょいっとマウスをまたいで、はすむかいに躍り出ました。背中を向けたまま、少しだけ振り向いて、マウスのほうを - ふじこちゃんを見ました。

-そこに立つとどんな気分ですか
-ちっ、ていう気分です

私は実際、舌打ちしていました。

-なんか、うすっぺらいなぁ。相手にするなよ、とか思いつつ、そこにこだわってしまう自分がいて、思わず舌打してしまいますね。
-なるほど、自分に対する舌打なんですね。
-そうです。
-それでは、その視点にも名前をつけてもらっていいですか。
-ちっ にします。

私はフセンに『ちっ(舌打)』と書いて、その場に置きました。

-それでは、また、動きましょうか。
 キャンセルする前の上級コースは、どんな様子だったんでしょうね。それが見える場所はありますか。

私は、今度は、マウスの真横に並ぶように立っていました。

-真横です。ふじこちゃんの真横にいて、同じ方向を見ています。

見てきたのは、部屋の窓の向こうの、さらにルーフバルコニーの柵ごしに見える夜景でした。

-そう、この視点は『パートナー』ですね。

私はまた、フセンに記載。

-同じ方向を見て、同じ獲物を狙っていた。お互い、手に入れたいと思っているものが、同じだという認識があった。協働したら、ものすごいシナジーを起こすと予感していた。

目的が完全に一致したとき、ふじこちゃんは、いかに強力な味方であろうか。

-ああ、でも。

私はコーチの声を待たずに、次の、違う視点に移動していました。マウスの真横から、一歩だけ後ろに遠ざかり、もはや、マウスには目をくれず、一人で窓の遠くの景色を眺める格好で。

-次元がね、あんな女にこだわるなよ、と言うんです、他にも協力者はいるだろうと。

次元のあきれた声に耳を傾けているうちに、ふじこのことが忘れられていくようでした。

窓の外には、ルーフバルコニーの柵ごしに、多摩川を渡る大きな橋が見えていて、橋の上の該当が二つずつペアになって、並んで見えました。

-それでは、次は’感謝の気持ち’を思い起こしながら、新しい場所を探してもらえませんか。
-感謝の気持ち?

うーん、ぴんと来ない、と思いながら、その夜景に惹かれるようにルーフバルコニーに出ました。生暖かい空気の中に、わずかに心地のよい風が通っていました。

-感謝という言葉を聴くと、思い出されるのは、上級コースに申し込んだ時のことです。

-あの時、応用コース中にこれまで出会ってくれた、たくさんの人達への感謝の気持ちが湧き上がったので、フェイスブックやメールで、感謝の気持ちを届けました。

-それから、ご縁コーチングのことが思い浮かびます。

と言いながら、私は、胸が感謝の気持ちでいっぱいになっているの感じていました。

-ご縁コーチングは、やり続けないと。

私は、このあたりから、夜景に見とれてドリミーミングな世界へ入っていた気がします。コーチの声にあまり、注意を払っていませんでした。橋の上の街灯は、2個ずつ並んで、人の目のよう。何人かの人が、橋の上からこちらを見ているように見えました。

-橋の上の街灯が、まるで人の目みたいに見えて、並んでいます。それが、上級コースで今回、出会うはずだった仲間のような感じがします。

-おかしいなぁ。キャンセルされたはすなんだけど、まだ、呼ばれている気がするんですよね・・・

-あいさんにとって、上級コースって、なんだったんでしょうね。

コーチの質問がようやく頭に入ってきました。私は、夜景を眺めるのをやめて、ルーフバルコニーのはしっこからはしっこまで、奇妙な8文字を描くように歩き回りはじめました。

-あ、今、迷子になっていますね。

-灯台の明かりが消えてしまって、どっちに進んでいいのかわからない感じです。

闇夜の海のうなりに、当てもなく流されるイメージが浮かんでいました。右や左に押し流されているが、どっちにすすめばいいのかもわからず、されるがままになっている自分。

-灯台は、目的地ではないんですけど、とりあえずの方向性を決めるにはとても役に立っていたんです。

コーチは突然、あー、思いついた言葉があるんですけど、と言いました。
「熱い風呂では身動きするな」

私はその言葉を受け取ってみました。
-そうですね、その言葉を聴いて思ったのは、今はがむしゃらに動き回るときじゃないなと。まさにこれだと、このためなんだとわかりまでは、動くべきではないのかもしれない。

-天啓を待っている感じかな?今は、動かない。じっとすることにYesって宣言しますか?

そういわれた途端に、私はまた、どうしようもなくうずうずして欲求不満が高ぶるのを感じていました。

-うーーー、それ、言われた途端に、またうずくんですけど。

コーチも笑っていました。

-じゃあ、たくさんの視点がでたところで、もう一度、峰不二子のところへ戻ってみましょうか。
そして、あえて、なんですけど、上級コースに感謝の気持ちを持ってもらっていいでしょうか。

私はもとのマウスの位置まで戻りつつ、明らかに気乗りしない声を出していました。

-感謝ねえ・・・まあ、きっかけにはなったと思いますよ。

その時に思い浮かんだのは、有償クライアントとして名乗り上げてくれた人々の顔。

あ、と、突然、何かが降りてきました。

-わかりました。やっぱり、’天啓’なんです。
-天啓?
-さっき、コーチが言ったじゃないですか?

え、そうだっけ?と、コーチがとぼけた声をだしていました。
一方、私は力強く、

-天啓と思います。 

-上級コースの代わりに何かするんじゃなくて、そうではなくて、なったくゼロから考え直します。天啓を待って、次に何をすべきかを考えます。

私の声の強さに対してでしょうか。コーチが、おお、と驚きの声を上げていました。

-いいですね。では、宣言にしましょうか。

-はい。つまりこうですね。
 
私はフセンに勢いよく書き、それを読み上げました。
『未練にNo!』
『白紙にYes!』

-そうだ、そして、上級コースの費用はもう返してもらおう。

私は先ほどの宣言の下に、『返金』と付け加えました。

-いいですね!金返せってことですね!
-そうです!金返せーーーーーーーーーー!!

二人は、イタズラ好きなこどものように笑い転げました。その時、私の中から、寂しさや悔しさが消え、頭がすっきりして、肩も軽くなっているのを感じました。

私がバランスコーチングで選んだのは、こんなメガネだったのです。

○●○●○●○●○●

と、ここからは後日談です。(笑)
あんなこんなで、私が潔く上級コースを白紙に戻し、未練を断ち切った翌日。

実に晴れやかな気分で仕事に励んでいると、また、CTIからメールが届きました。

今、参加を検討してる方が1名おり、上級コースが開催できるかもしれません・・・と。続けて電話が入り、まだ参加の意思があるかどうかを確認されました。

意表をつかれてぽかーん、とする一方で、妙に納得している自分も。
どうも、運命の女神が現れたらしい。いったいどんな人だろう。
私はわくわくしながら、さらに1日、最終決定を待ち、はたして、上級コースの開催がついに決定されました。

最後の最後のこのどんでん返し。

応用コース中、私は、まさにその時、他の参加者と、出会うべくして出会ってきたという実感がありましたが、この上級コースは、この憎い演出のおかげで、運命を感じてしまいます。
運命を決定付けた最後の申込者。一度のキャンセル通知にも意欲を削がれることなく踏みとどまった申込者たち。リクルートに奔走してくださった事務局。
この場に関わるすべての人が、運命を引き寄せたみたいです。

奇跡のコホートは、もうまもなく、始まります。

-Fin-