恩師 森恭子先生
私を今の私にお育てくださったトータルマナー研究所創設者・
話し方教室の恩師 森恭子先生が
今年5月21日82歳の生涯を閉じられました。
先生からいただいたものを、お姿を、皆様にお伝えしたい、...
しなければと思いながら、 今日になってしまいました。
恩師・森恭子先生との思い出を少しずつお伝えしていきたいと思います。
私が先生と初めてお会いできたのは、話し方教室に入って半年程経った頃。
開催された話し方教室のパーティーでした。
その頃は、スピーチ発表会だけでなく、
OBが集うパーティがあり、
誰でもその人の得意なもの、表現できるものを
舞台で発表してくださっていました。
OBの方の中には声楽家のプロ、新体操の先生、司会者etc
多種多才、素敵な方がたが沢山いらっしゃって、
華やかなダンスやオペラなどの舞台があり、
初めて参加した私は、
こんな世界もあったのかとびっくりしたものでした。
でもその日、一番感動したのが、森恭子先生との出会いでした。
私が34歳で見学に行って通い始めたのは、
話し方お昼の教室。 先生は、河本栄味子先生。
森恭子先生の愛弟子さんでその後、森先生が創設された
トータルマナー研究所の所長を引き継がれた先生の教室です。
河本先生や教室の先輩方から、
森恭子先生の素晴らしさはいつもお聴きしておりましたが、
それまでお会いできていませんでした。
初めての話し方教室のパーティに、
どきどきしながら会場に入ったそのとき、
どこからか
「〇〇さあん、来てくださったの?お久し振りね~。」
と、本当にかろやかで あたたかで
明るく 美しい声が聞えてきました。
未だに、あの時の声程、
美しく軽やかな声を聴いたことがございません。
その声に、私の2m程前にいらした女性が、
きょろきょろっとあたりを見渡されて、
そうして、会場の対角線上、
舞台の下あたりにいらっしゃった女性をみつけ、
満面の笑みになって、 「森先生~。」
と、駆け寄っていかれたのです。
その先に立っていらっしゃった優しい微笑みの
美しい先生とその女性との距離は、30mちかくはあり、
その間には 多くのお客様が立っていらして
ご挨拶したりお喋りをしたりなさっていたのです。
その人々の中を、
森先生のお声は、
決して叫ばれたのでも大声を出されたのでもないのに、
目的のその人のお耳目指して、軽やかにやってきたのです。
間にいた方々の誰の言葉も声も邪魔することなく。
近くにいたからこそ、
一緒に聴くことが出来たその時の森先生のお声。
( あの方が、皆さんが常にお話しになっている
森恭子先生・・・。)
一瞬で、私は、森先生のお声と
明るくやさしい話し方、
そうして美しい立ち姿と笑顔に魅了されました。
(あの方が、私たちの話し方教室を創設してくださった先生。)
(よい話とは人を傷付けない話。
よい話し手とは、ひとを傷付けない話し手
と、私の大好きな話し方教室を作ってくださった、
育ててくださった先生・・・。)
感動でした。
すぐに大尊敬・誇らしくなりました。
お陰様で、耳に残っているあの時の森先生のお声を
私はずっと目指すことが出来ているのです。