ロシアの文豪トルストイが最終的に書き上げた民話、

馬鹿と言われる程無私無欲で信仰に厚く、

働き者のイワンの生き方を学ぶ会が、先日御殿場で開催されました。

参加者は、国内はもとより台湾からもいらして、約750名。

会場内、常に笑顔と感動が溢れていた素晴らしい会に、

私は懇親会の司会のご縁を頂きました。

主催者のSさんに初めてご案内を頂いた時、

「えりさんは 『イワンの馬鹿』をご存知ですか?」 と問われ、

「はい、知っています。イワンの様な生き方が理想です。

実は、話し方を学び始めた頃

教室で20分間のミニ講演をすることがありまして、

私は 『トルストイとイワンの馬鹿』 をテーマにしたのですよ」

とお話しすると、大変喜んで下さって、

お蔭で更に深いご縁を頂戴することが出来ました。


この『イワンの集い』へのご縁をもたらしてくれたのは祖父です。

小学校入学の祝いとして、毎月2冊ずつ1年間に24

祖父が贈ってくれた児童書の中に『イワンの馬鹿』もありました。

そのお蔭で私は、自分から求めなくても自然に出会うことが出来ました。

教育者だった祖父はその後も、

少年少女文学全集等沢山の本を贈ってくれたので、

私は名作と言われる本に囲まれて育つことが出来ました。

けれど、外で遊ぶ方が好きだった私は、

並んでいる本に読書量が全く追いつかず

(もう本はいいよ~) なんて、罰当りにもさほど感謝をしてきませんでした。


私の子ども達も祖父の遺してくれた本を読んで育ち、

本に恵まれた生活がどんなに有り難いものであったか、

その価値、祖父の愛に気付けたのは大人になってからです。

そして、その有り難さは、年を重ねるごと深く、増します。

今回、祖父の13回忌の今年、

祖父のお蔭で多くの有り難いご縁を頂戴することが出来た事は

ひとしお感慨深いものでした。


こうして縁が、生命が、繋がっているのだと思うと、

お彼岸の日、

祖父母、両親だけでなく遠くご先祖様や未来の子ども達にまで

思いを巡らせ手を合わせてくることが出来たことを、

本当に、幸せなことに存じます。