【科学的根拠あり】本当に体に悪いものランキングTOP5。健康寿命を延ばす正しい知識
「〇〇は体に悪い」「××を食べると病気になる」
健康に関する情報が溢れる現代、私たちは一体何を信じれば良いのでしょうか?
流行り廃りのある健康法に振り回されるのではなく、多くの研究によって健康への悪影響が確実視されているものを正しく知ることが、健康寿命を延ばす第一歩です。
この記事では、WHO(世界保健機関)などの公的機関や、信頼性の高い大規模研究で「健康リスクが高い」と指摘されているものを中心に、ランキング形式でご紹介します。
目的は、「これらを完全に断つこと」ではありません。リスクを正しく理解し、量や頻度をコントロールして「賢く付き合う」ための知識を身につけることです。さっそく見ていきましょう。
第5位:砂糖(特に「見えない砂糖」に注意)
甘いお菓子やジュースが体に良くないことは、多くの人が知っています。しかし、本当に注意すべきは、清涼飲料水や加工食品に大量に含まれる「液状の糖」や「見えない砂糖」です。
これらは血糖値を急上昇させ、肥満や2型糖尿病、心血管疾患、脂肪肝のリスクを著しく高めることが数多くの研究で示されています。
体に悪いとされる理由
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血糖値の乱高下: 急激な血糖値の上昇と下降は、血管にダメージを与え、インスリンを分泌する膵臓を疲弊させます。
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依存性: 砂糖の摂取は、脳の報酬系を刺激し、もっと欲しくなるという依存性を生む可能性があります。
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内臓脂肪の蓄積: 過剰な糖質は、体内で脂肪(特に内臓脂肪)に変換され、様々な生活習慣病の引き金となります。
上手な付き合い方
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飲み物を変える: 普段飲んでいる加糖のジュースやコーヒーを、水、お茶、無糖の炭酸水に変えるだけで、糖質の摂取量を大幅に減らせます。
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成分表示を見る: ドレッシングやタレ、レトルト食品など、意外なものにも多くの砂糖が使われています。「ぶどう糖果糖液糖」などの表示に注意しましょう。
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「ご褒美」として楽しむ: 甘いものを完全に断つのはストレスになります。「週に一度」「友人と会う時だけ」など、特別な楽しみとしてメリハリをつけるのがおすすめです。
第4位:トランス脂肪酸
「食べるプラスチック」とも呼ばれ、健康への悪影響が世界的に問題視されているのがトランス脂肪酸です。
これは、植物油に水素を添加して作られる人工的な油(硬化油)で、マーガリンやショートニング、それらを使用したパン、ケーキ、揚げ物、クッキーなどに含まれています。
体に悪いとされる理由
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心血管疾患のリスク増: 悪玉(LDL)コレステロールを増やし、善玉(HDL)コレステロールを減らすという、最悪の働きをします。これにより、心筋梗塞や狭心症などのリスクが大幅に高まることが確実視されています。
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規制の動き: WHOは2025年までの世界的な撲滅を目標に掲げており、アメリカなど多くの国で使用が厳しく規制されています。
上手な付き合い方
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原材料をチェック: 「マーガリン」「ショートニング」「植物油脂」「ファットスプレッド」などの表示がある製品は要注意です。
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家庭で使う油を選ぶ: 家庭で揚げ物などをする際は、トランス脂肪酸を含まないオリーブオイルや米油、なたね油などを選びましょう。
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外食や加工品は頻度を意識: 完全に避けるのは難しいですが、スナック菓子や洋菓子、ファストフードを食べる頻度を意識的に減らすことが重要です。
第3位:加工肉(ハム、ソーセージ、ベーコンなど)
手軽で美味しいため、朝食や弁当の定番になっている加工肉。しかし、その健康リスクは国際的に広く認知されています。
2015年、WHOの専門機関であるIARC(国際がん研究機関)は、加工肉を**「グループ1:人に対して発がん性がある」**に分類しました。これは、タバコやアスベストと同じ、最もリスクが高い分類です。
体に悪いとされる理由
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発がん性: 主に大腸がんのリスクを高めることが、十分な科学的根拠があると結論付けられています。毎日継続して50g(ウインナーなら2〜3本)摂取するごとに、大腸がんのリスクが18%増加すると報告されています。
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添加物と高塩分: 発色剤(亜硝酸ナトリウムなど)や保存料、そして高い塩分含有量も、健康への懸念点として挙げられます。
上手な付き合い方
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「毎日」を避ける: 最大のリスクは、習慣的に食べ続けることです。食べる頻度を週に1〜2回に減らすなど、特別な日の楽しみにしましょう。
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赤身肉や鶏肉に置き換える: 同じ肉でも、加工されていないブロック肉や鶏肉を選ぶ方がリスクは低減できます。
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野菜と一緒に: 加工肉を食べる際は、食物繊維が豊富で発がん物質の排出を助けると言われる野菜やきのこ、海藻などを一緒にたっぷり食べましょう。
第2位:アルコール
「酒は百薬の長」という言葉は、もはや過去のものです。近年の大規模な研究では、**「飲酒に安全な量はなく、飲む量が増えるほど健康リスクは上がる」**というのが世界の医学界の共通認識です。
アルコールも加工肉と同じく、IARCによって「グループ1:人に対して発がん性がある」に分類されています。
体に悪いとされる理由
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明確な発がん性: 口腔、咽頭、喉頭、食道、肝臓、大腸、そして女性の乳がんなど、様々な部位のがんの原因となります。
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全身への悪影響: 肝臓への負担はもちろん、高血圧、脳卒中、認知症、精神疾患など、全身のあらゆる病気のリスクを高めます。
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依存性: 強い依存性があり、自分の意志だけではコントロールが難しくなる「アルコール使用障害」という病気につながる可能性があります。
上手な付き合い方
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休肝日を設ける: まずは週に2日以上の「休肝日」を設け、肝臓を休ませることが重要です。
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量を決めて飲む: 「ビール1缶まで」「ワイン2杯まで」など、その日の上限を決めてから飲む習慣をつけましょう。
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リスクの低い飲酒量を知る: 厚生労働省が示す「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」は、1日あたりの純アルコール量で男性40g以上、女性20g以上です。これを一つの目安としつつ、飲むならこれより少ない量を目指しましょう。(純アルコール20gの目安:ビール中瓶1本、日本酒1合、ワイングラス2杯弱)
第1位:タバコ
数ある健康リスクの中で、科学的にも社会的にも**「百害あって一利なし」と断言できるものがタバコ(喫煙)**です。自らの健康だけでなく、周囲の人の健康(受動喫煙)にも深刻な害を及ぼします。
能動喫煙が原因で、日本では年間約13万人が死亡していると推定されています。
体に悪いとされる理由
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最強の発がん物質: IARCの発がん性分類はもちろん「グループ1」。肺がんのリスクを4〜5倍に高めるほか、全身のあらゆるがんの原因となります。
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血管へのダメージ: ニコチンや一酸化炭素が血管を収縮・損傷させ、動脈硬化を促進。心筋梗塞や脳卒中、閉塞性動脈硬化症などを引き起こします。
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呼吸器系疾患: 肺の組織を破壊し、COPD(慢性閉塞性肺疾患)という、息切れが徐々に悪化していく病気の最大の原因です。
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依存性: ニコチンには非常に強い依存性があり、「やめたいのにやめられない」状態になりやすいのが最大の問題です。
上手な付き合い方
タバコに関しては、「上手な付き合い方」は存在しません。唯一の選択肢は「禁煙」です。 現在、禁煙は個人の意志の力だけで行うものではなく、医療の力で治療する時代です。禁煙外来では、飲み薬や貼り薬を使って、離脱症状を和らげながら比較的楽に禁煙に取り組むことができます。
もしあなたや、あなたの大切な人が喫煙しているなら、ぜひ一度、禁煙外来への相談を検討してみてください。
まとめ:正しく知り、賢く選ぶ
今回ご紹介したランキングは、いかがでしたでしょうか。 重要なのは、特定の食品や習慣を過度に恐れることではなく、リスクの大きさを正しく理解し、自分の生活の中でコントロール可能な範囲で改善していくことです。
加工肉を食べる頻度を少し減らしてみる。ジュースを飲むのをやめてみる。その小さな一歩が、10年後、20年後のあなたの健康を大きく左右します。
日々の小さな選択を、未来の自分のために。賢い知識を身につけて、より健康で豊かな毎日を送りましょう。